急に秋めいたさわやかな風と青い空・・・夏も終わりに近づいていますね。
今日は息子たちも登校日。夏休みもあとわずかです。
今日はオレンジを使った焼き菓子をご紹介します。
Le Sevilan(ル・セヴィラン)
ル・セヴィラン・・ちょっと聞きなれないこのお菓子、もともとは20センチの角型か丸いデコ型で焼き、仕上げにオレンジの果汁で作った「グラス・ア・ロー」をかけます。
バターと卵の生地にオレンジの果汁と香りの強い皮のすりおろしをたっぷり二個分を混ぜ込んで焼き上げるので、半生菓子のようにしっとり、オレンジの香りもしっかりとした贅沢なケーキです。
これを小さなオーバル型(楕円型)で焼いてみました。
オーバル型はフッ素加工してありますが、バターを薄く塗ってアーモンドダイスを貼り付けて生地を流し、飾りにピスタチオを散らして焼きます。
このアーモンドダイスが食べたときにとても香ばしくて、柔らかなケーキに食感の楽しさをプラスします。
お菓子の名前の由来の「セヴィラ」は、フランス語ですが、スペインの都市「セヴィラの」「セヴィラ人」という意味。
スペインはバレンシアオレンジで有名なので、セヴィラもオレンジの栽培が盛んだったのでしょうか。
ということを教えてくださったのは、金沢に住んでいたときにこの「ル・セヴィラ」をとてもおいしい!とほめてくださったパティスリー ショコラトリー サロン・ド・テ「サンニコラ」の藤田シェフです。
ところで、今では日本でも一年中スーパーで手に入るオレンジですが、その昔、ヨーロッパでは大変に貴重な食べ物だったことをご存知ですか?
特に夏の短い北ヨーロッパではオレンジは王様や貴族が大切に育て、珍重しました。
冬に気温がグっと下がる場所ではオレンジは地植えされず、一本一本大きな鉢または木箱に植えられ、10月から4月までは大きなオレンジ専用の温室「オランジュリー」で栽培されます。
五月、暖かくなるとお屋敷の小径にオレンジの鉢をズラリと並べて貴族の威光を現したといわれます。
「オランジュリー」は温室・・・といっても、そのサンルームでパーティーが開けるほど広く、美しく、「モネ」の傑作「睡蓮」で有名なパリにある「オランジュリー美術館」もそんなオランジュリーのひとつでした。
神々も愛したオレンジ・・・というのは実際は、ヨーロッパの貴族が画家に描かせた絵画から想像したことです。
ボッテイチェリの有名な絵画「春(ラ・プリマベーラ)」はみなさんも一度はごらんになったことがあると思います。
愛と美の女神ヴィーナスを中心に花の女神フローラや女神たちが描かれた美しく華やかな絵画です。
ここにはさまざまな種類の花が描かれているのですが、もちろんオレンジの花も描かれています。
そしてなんといっても女神たちの頭上にはたわわに実るオレンジの実。
そうです。女神たちはオレンジの木々の下に描かれています。
明るいオレンジ色は輝く太陽。どんよりと寒い冬をすごすヨーロッパの人々にとっては憧れの色なのかもしれません。
手に入る・・といっても皮まで安心して使える国産のオレンジはなかなか貴重です。
たまたま手に入ればいいですが、大概はお取り寄せ。
やっぱり貴重品だわ~♪
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