カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

水ひひき。

2020-05-25 01:20:14 | Weblog

橋の上ゆ胡瓜なくれは(投ぐれば)水ひひき(響き)すなはち見ゆる禿(かむろ)の頭  芥川龍之介


橋の上から胡瓜を川面に投げたら水音がして河童の禿の頭が見えた、という一首。〈水ひひき〉には、どことなく松尾芭蕉の有名な〈古池や蛙とびこむ水の音〉にも通じる、ポチャンと乾いた〈水の音〉がしずもりのなかに立って響いている感じがある。芥川龍之介辞世の一首。

 

そして。

 

永井陽子さんの有名な短歌作品〈あはれしづかな東洋の春ガリレオの望遠鏡にはなびらながれ〉のことも。ガリレオ・ガリレイは天体観測に望遠鏡を導入し、天動説が世の絶対的な通説のなかで地動説へ言及した人として有名。ガリレオの遺品の望遠鏡を手に世の中を覗いてみたら、本当のあれこれがまざまざと見えてくるかもしれぬ。

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