カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

日録

2006-02-08 23:22:25 | Weblog
 日録メモから。

 今日は、午後仕事が退けてから、しばらく前から気になっていた『芥川也寸志年譜・作品目録』(1995刊)を入手するため、愛車のブリヂストン・エコサイクルにまたがって麻布のロシア連邦大使館の近所、日本近代音楽館に出掛けました。途中六本木の警察署で道を尋ねたりしながら、16時20分過ぎに目的の日本近代音楽館に無事到着。閲覧室開室時間が17時15分までなので、あわてて受付カウンターに直行、めでたく目録を入手できました。うれしい気分で閲覧室に座り中身を見ていくと、内容についていくつか疑問が湧いてきました。早速近くにおられた学芸員の方に質問し、少し収穫(?)がありました。

 芥川さんは生前、『日本の作曲家たち(上・下)』(音楽之友社、1978年)のインタビューの中で、インタビュアの音楽評論家秋山邦晴さんに対して、いくつかの曲の譜面について「破棄しました」と答えています。それはたとえば、『弦楽四重奏曲』や『嬉遊曲』の楽譜です。今日入手した作品目録を見ていると、破棄されたはずの『弦楽四重奏曲』や『嬉遊曲』についても譜面情報(作曲日付や楽器編成)がある程度詳しく記載されていました。「おかしいな。。。もしや!?」と思って学芸員の方に伺うと、日本近代音楽館所蔵の芥川也寸志文庫の中から『弦楽四重奏曲』の完全な自筆譜面と『嬉遊曲』の自筆の未定稿譜面が見つかったとのことでした。びっくりしました。早速それらの譜面の閲覧申込みをしましたが、それらはマイクロフィルム化していないために自筆譜のまま閲覧しなければならず、遺族への閲覧許可願いやら準備などで一週間ほど掛かるとのこと。とりあえず『弦楽四重奏曲』の譜面だけを来週の水曜日の今日と同じぐらいの時間に閲覧させてもらえるようにお願いをして来ました。『弦楽四重奏曲』の音楽素材からあの有名な『弦楽のための三楽章(トリプティーク)』がどのように作曲されたのかすごく興味があります。ついでに(?)、来週のその時に、芥川さんが生前に前掲書(『日本の作曲家たち』)の中で「。。。いま、ヴァイオリン協奏曲を書いています。点描画法で絵画作品を描くように音符を置いています。。。」と語っているヴァイオリン協奏曲の譜面についても、資料の中に何か残っていなかったかどうかを教えてもらうことになっています。楽しみです。

                *

 武満徹さんの晩年の作品『系図』について、スコアがまもなく日本ショット社から刊行されるそうです。指揮者の岩城さんがこの曲について以前に「聴いている分にはすごくわかりやすくて美しい音楽だけれども、スコアを見たら緻密で複雑」と語っていたので、どういうふうに書かれているか興味深いです。これも楽しみです。
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