七菜子 岩絵具
岩田です。最近は暑かったり涼しかったりで大変です。
本日は、土曜日午前クラスに通われている七菜子さんの作品をご紹介。
以前にもお伝えしたように、こちらのクラスは夏に日本画を同時スタートした方々が数名いらっしゃいますが、その中でも七菜子さんは、時にチケットを追加購入し午後の時間も使いながらじっくりと時間をかけ制作をされてきました。
こちらは、古道具のピューター(中世のイギリスなどで盛んに作られた錫の皿)にアケビをのせた様を描いたものです。
先ず、日本画でこのモチーフを選ぶというところにセンスの良さを感じざるをえません。
何層にも重ねた岩絵具のマットな質感が、経年の変化で古びた皿の佇まいと大変マッチしています。アケビのくすんだ緑も非常に美しい色合いで表現されており、野山から摘んできて直ぐのような瑞々しささえも湛えています。
花などの自然のものを特に透明水彩を使って描き続けてきた七菜子さんにとって、独特の描き方を求められる岩絵具という素材は中々思い通りにいかないという部分を含みながらも、不思議と波長が合っているようにも見受けられます。
もしかしたら描き始めの時点で、完成予想図が頭の中に割合しっかりとイメージできていたのではないでしょうか。
非常に透明感があり、清らかな印象を見る者に与える作品です。