長谷部 透明水彩
どうも幸介です!本日紹介するのは、大人クラスより長谷部さんの水彩画。長谷部さんはデッサンが終わってから水彩画を描かれていて、本作は2枚目の作品。ご自身で撮影した写真をモチーフに制作されました。尾瀬の湿原でしょうか。遠くに伸びる木道ど、どこか哀愁を感じる印象的な景色ですね。
全体的に彩度も色幅も少ない作品ですが、それがマイナスにならずに澄んだ空気や温度を感じさせる手助けになっています。遠くのサッと薄く乗せた色に対し、手前には濃くクッキリと筆を入れているのもメリハリが効いてていいですね。粗と密集の対比により、絵の中の視界が広く感じます。そしてこのオシャレな雰囲気というか、いい具合の渋さが滲み出ているこの作品ですが、前述した色数を絞った事や背景の抜き加減がその”雰囲気”を出す要因になっているんですね。
そもそもこういった湿原を描く際に、普通なら青々と茂った夏の風景を選びそうなもんですが、この季節を選ぶセンスが好きです。しかも奇をてらって選んだわけでなく、サラッとこういった雰囲気をモチーフに選択できる、その長谷部さんの美的感覚が羨ましい。お洒落です。
派手だったり分かりやすいモチーフのない風景は、透明水彩を始めてまだ数枚で挑戦するには中々難しかったのではないでしょうか。けっこう筆も早くパッと仕上げてらっしゃる長谷部さんですが、しばらく今作のような雰囲気の風景を続けて、画風を固めていくのも良いかもしれませんね!