駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

引退というもの、引き際は難しい

2017年05月27日 | 小考

       

 今日は打って変わっての好天で朝の通勤が気持ち良かった。暑いくらいで、駅に着く頃には少し汗ばんだ。

 女子ゴルフの宮里藍が引退すると言う。31歳とまだ若く、ゴルフならもう少し現役でやれそうに思うが、力の限界を感じたのだろうか。

 引退ということは現在の仕事を辞めるということで、31歳は一般社会ではこれからという年齢で、悠々自適など考えられず、第一それでは残る五十年を持て余してしまう。女性の場合は家庭を持ち出産子育てという仕事?を持ちやすいので、早期の引退がしやすいのかもしれない。家事や子育ては仕事に違いないが収入を得る特殊技術を要する仕事とは違うし、誰でも?できると言うと批判されるかもしれないが、殆どの女性がしてきたことなので、職業としての仕事とはちょっと違う感じがある。

 まあなんというか、妻主婦母というものがあるので、女性はある意味恵まれている?と書くと、批判されるだろうか。男のスポーツ選手は種目によるが三十台での引退も多く、その後の人生は様々のようだ。コーチや監督などの指導者や解説タレントなどになれなかったならなかった選手には飲食業を営んだり妻の実家の仕事を手伝ったりという人が多いらしい。

 こうした場合の引退の意味はどういうものだろう、やはり第一とした職業を辞めているので、人生の第一線を退いた感じがするのだろうか。医師のような技能職はかなり高齢まで仕事ができるので、そうした場合の引退は本当に人生の第一線を退いた感じになるのかなと思う。そう思いつつ、後一年二年と働いている。

 開業医の場合は引退が年齢で決まっているわけでなく肩をたたいてくれる人が居るような居ないような微妙な環境にある。よくしたもので、老化してくると患者が引導を渡してくれる。某内科医院のT先生、87歳になってもやめる気配がなく、医師会からそろそろという勧告が出ていたのだが、やらなくて結構ですという日曜当番医をどうしてもやると言い張ってやられた。二軒ある当番医、片方は百人近く患者が来て大変だったのだがT先生のところは七、八人で、しかもなんでこんなお年寄りに当番医をやらせるのかと投書が来てしまった。しばらくして閉院された。

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2 コメント

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96歳 医業停止3カ月のケース ()
2017-05-28 18:39:05
生涯現役と言うのは、何か背景が有るように感じます、https://plaza.rakuten.co.jp/camphorac/diary/201703160000/
返信する
きっとそうでしょう (arz2bee)
2017-05-28 20:23:10
 値の小首に鈴が付けられないことや、やむにやまれぬ事情?のあることもあるでしょう。
返信する

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