駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

戻った賑わいの背後に

2023年05月22日 | 世の中

          

 

 駅中三十席ほどの軽食喫茶店、コーヒーが580円、昔懐かしいホットケーキが850円とお安くないのに五、六人が待つほど混雑している。中を覗くと実際には空席がチラホラあり、要するに片付けが間に合わないのだ。繁忙時、この席数でフロアープラス会計が三人では少ないのだろう。

 「さっき頼んだでしょ、聞こえてるの」といらだつ小学生のお子さん連れのお客さんの苦言は馬耳東風と聞き流し、無言でナポリタンスパゲッティを置いてゆく小柄なウエイトレス。最初から見ていたわけではないので事情は知らないが、隣に座った私はおやおやと思った。

 コロナが五類になって感染報道が減り街には賑わいが戻ってきているが、飲食店では値上がりが目立ちなんだか員数不足のウエイトレスさんは余裕がなさそうだ。広島サミットの声明がどう実現され生かされてゆくか、まだまだ世界は不穏で不安定な気配だ。自分が携わった医業に大きな不安を覚えたことはないが、どうもこれからは外見の賑わいの背後は不安定なようだ。浮足立つことなく地道に誠実に意思疎通を図りながら診療していかねばと思ったことだ。

コメント
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