駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

気持ちを左右するもの

2019年05月28日 | 世の中

       

 

 出勤で汗ばむ季節になった。寒いのもつらいが暑いのもかなわんという方がおられる。確か、数か月前までは寒いよりは暑い方がましと言われていたはずだが、「私、暑いもの寒いのも苦手なの」、成程そうでしたか。こういう女性は良く言えば細やか悪く言えば神経質で訴えの多い方が多い。病院では相手にされない気分の訴えに耳を傾けている。そうはいっても千に三つ、重大疾患が紛れ込んでいるから気が抜けない。ハアハアと聞きながら、聞き流してはいない。

 気分とか機嫌とか、この科学技術の時代にと言われても、それは馬鹿にならないどころか、人間界の行き先を決めかねない大きな要素要因なのだ。厄介というか難しい。

 同じ医院でも患者数に大きな差がある。まあ、選べない医療機関過疎地では大きな差はないだろうが、医療機関がひしめく都会地では相当な差がある。何が差を生むか、医療経営のアドバイザーではないのでよくわからないが、周りを見て七八割は成程なのだが、二三割はなんでという感じがしている。そんなものかなと思うのが建物で、例外はあるが見てくれが立派な方が患者さんが集まりやすいようだ。勿論、駐車場は広いほうが良い。残念ながら私のところは木造で見たところ高級感はない。そうかといって、土地も狭いし建て替えは見送ってきた。一人で診ることができる患者数には限りがある、多ければ良いというものではない。

 多くの患者さんは単に近いから受診されていると思うのだが、本当に信頼して来てくださる患者さんも居られる。それは私を褒めるから分かるわけではない。あまり褒める患者さんはそれこそ人情紙風船で浮気の質の方もおられる。信頼してくださる方は何があっても家族ぐるみで父がお世話になりましたと続けて通ってくださる。有難いことだ。

コメント
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