駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

馴染み店になるか

2019年05月20日 | 身辺記

    

 

 昨日は時間があったので正規の床屋に行こうとしたのだが、行きつけの店が今日は法事で休みとのことで朝早くからぶらぶらと床屋を捜して下町方向へ歩いた。早く安い整髪だけの床屋はこの頃混んで待ち時間が長く、遅い安いになってしまったので二の足を踏んだのだ。犬も歩けば棒に当たり十分ほど歩いて、間口の広いだいぶん年季の入った床屋に行きあたった。先客が二人居たが、店主はノートを覗き込みながらちょっと待てばできますと言う。本来は予約制らしいのだが、隙間があったと見える。あるいは私が新客なので押し込んだのかもしれない。椅子が四台、夫婦らしい小柄痩せぎす四十台と思しき店主と大柄太り気味の女性の二馬力である。

 店の作りはいつも行く店と比べるとかなり見劣りするが、そこそこ清潔さは保たれており庶民的な感じがした。十五分ほどで先客が終わり、椅子に座らされた。周りにバリカンを入れて上は2㎝ほど切ってと説明すると、二三ど頷き、髪を少し湿らせてから刈り始めた、気のせいか随分丁寧な感じがした。刈り終わると奥さんと交代し、頭を洗い顔を剃ってくれた。その間十五分おきくらいに電話が鳴り、どんどん予約が入ってくる。随分流行っている店なんだ、なんでだろうと不思議な気がした。その疑問は料金の支払いの時氷解した。えっと驚くほど安いのだ。いつもの店の半値以下、二千円で百円おつりが来た。高齢者割引があり安いうえに更に二百円ほど引いてくれたのだ。良ければまたどうぞと呉れたカードを財布に挟んで店を出た。

 勿論、行きつけのTとは何かが違う。整髪は五分で決して負けていない。髪の洗いはややおおざっぱだが、満足できるレベルだ。顔剃り、これは僅かだが明らかに劣る。こうした技術面の差は廉価で十分補われるものに感じた。決定的な違いは気分なのだ。日曜に床屋に行って清々して良い気分というのがもう一つしないのだ。それが値段の差なのだろうか?。しかしこの店にはまた来ようと思う。待たせるようになった整髪のみの店はやってくれる人が変わって落ち着かないし、なんというかここの二人は働き者という感じがしたので贔屓にしたくもなったのだ。

コメント
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