駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

短絡非難は万病の元

2016年08月03日 | 町医者診言

  

 今日は小雨が降っている、昨日一昨日ほど蒸し暑くない。とても八月とは思えない天気だ。

 世界のあちこちで無差別テロが起きている。各国の間にもきな臭い動きがある。日本でも理解困難な殺傷事件が起きているが、深刻大変と言いながら、実はほとんどの人はさほどの危機感を感じず、安逸を貪ぼっているように見える。

 巷に衣食住に困る人が溢れているわけでもなく、生活保護は切り離された老父母を手堅く守っている。勿論、野党の言うように恵まれない割を食らっている人が数多くいるはずなのだが、そうした実態の報道は少ない。平均すれば豊かとはいえないが困窮はしていないのが日本の現状なのだろう。しかし、現状の正直な正確な分析報道は乏しく、将来の見通しは不透明だ。

 週刊誌の見出しは悪口とやっかみに溢れ、BS放送では健康娯楽志向を煽るコマーシャルが目白押しだ。

 確かに平均余命は著しく伸びた。しかし誰もが矍鑠とした85歳を迎えることができるわけではない。平均以下だと不服、並み以上どころか極上でないと不満、うまくゆかないと自分の至らなさを棚に上げ、気に入らない人達のせいにする。そうした心情を煽る報道が多すぎると思う。**はけしからん排斥しろと叩けば、平和は遠のき争いから戦争が起きる。平時でさえ短絡非難を煽るマスコミが、沈思黙考し制動を掛けるとは思えない。読み手が報道を選別し、当事者精神でよく考えて生きる以外に良い方法はなさそうだ。

コメント
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