駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

思惑の波

2012年03月24日 | 小験

      

  一昨日は患者さんが105人も来られた。これは今の時期としては異例の多さで、20日の春分の日の影響と風邪の小流行によるものだろう。ところが昨日は53人と割と暇だった。特に午後は薬屋のセールスが長居するほど暇で、僅か14人であった。多分これは一昨日の反動と冷たい雨のせいだろう。雨で患者数が2程度減ることは日常茶飯時なので慣れているが、倍違うとペースが狂って随分暇に感じた。

 患者さんの反応もいろいろで、一昨日は午前中来たら込んでいたので午後出直したと言われた方が二人居た。申し訳ないが、その午後もちょっとお待たせしたようだ。昨日は来たら待っている患者が居らず、すぐ呼ばれて休む暇がなくちゃあドキドキして血圧が上がっちまうとぶつぶつ言われる患者さんが居られた。

 当院は高齢者が半数近いので、予約を取っていない。小児科などには電話で自働予約できるシステムを導入しているところもあるが、高齢者が相手ではかえって混乱するので、患者任せにしてある。月木土が多い傾向があるが、患者数を予想するのは難しく五十年前の天気予報とどっこいどっこいだ。患者さんはやや空いているのが好きで、込んで待たされるのを嫌う。といってガラ空きも嫌らしい。空いていると、空いているよと友達に情報を流すおばさんやお婆さんが居て、それを聞いてのこのこ出てこられる方も居る。

 その日の患者数には天気、休日との関係、風邪の流行り具合などのほかに、今日は空いているだろうとか医者でも行ってみるかといった思惑が絡むので、予測が難しいのだろうと思う。面白いのは、込んだ時に今日は空いていると思ったのにと言われる患者さんが必ずと言っていいほど、複数居られることだ。どういうテレパシーか思惑は伝わる?ものらしい。

 待っている私は、あなた任せで虚心?に待てるようになった。

 

コメント
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