駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

MR(医療情報担当者)の人気者?

2012年03月29日 | 医療

    

 MRは医療情報担当者と呼ばれる人達で製薬メーカーの自社製品を臨床医に売り込むのが仕事である。まあ、売り込むセールスマンではない医療情報提供者なのだということでMR(Medecal Representative)という呼称が使われるようになったのだが、今も実感はセールスマンである。三十年前は自社の製品の薬理作用など殆ど説明せず、医師を接待することで(ゴルフ、麻雀や飲み食い・・・)で、売り上げを伸ばすセールスマンそのものの営業マンが多かった。今はそうした接待は激減ないし消失し、口上は変わってきたが、自社製品を売り込もうという姿勢に変わりはない。

 最近は製薬メーカ主催ないし後援で、有名教授や専門医師による最新診断や治療の講演会が数多い。足付き、顎付きで勉強もできる有難い会で、私は出席率が高い、市内の開業医のベストファイブに入っている。こうした講演会に何人臨床医を集めることができたかは、製薬メーカー各支店の重要な実績となるので、各社何とかして多くの臨床医を集めようと躍起になる。運悪く日程が重なると、MRは血眼になって出席者を確保しようとする。雨天などで競争相手の講演会に受講者を取られると、五十人分の立食にわずか十五人などと言うみじめなことになる。

 私は雨が降っても行くし、よく質問をして会を盛り上げる?ので、確実貴重な出席者らしく、最敬礼でしきりに誘われる。前日や当日にタクシー券を持って現れ、駄目を押されることも多い。そうしたことが理由で行くわけではないが、人間は丁重な扱いを嬉しく思う動物のようである。

コメント (2)
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