駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

耳寄りな話、目覚ましい記事

2012年03月09日 | 医療

    

 勉強会まで二十分ほど時間があったので、スタンドで朝日毎日の夕刊を買って読んだ。政治面には不勉強で夜郎自大な記者が跋扈しているのか井戸端の噂話をでない記事も多いが、文化生活面にはまだ光る記事があって救いを感じた。

 地道な取材や依頼によって、内容のある記事が書けている。改めて記者の仕事は取材と依頼にあると確信した。書かせるあるいは書いて貰うというのも、重大な機能であり、誰に何時何をというのは記者の力量を表している。朝日の「人生の贈りもの」、「ファッションってなに?」・・・。毎日の「見つめ続ける」や絲山秋子の「大学院での講義を終えて」・・・など、読み応えがあり、僅か百円で有意義な待ち時間を過ごせた。

 内容のある夕刊に当たった続きか、昨夜の講義は長息は長生きに通ずるという誠に斬新で日常臨床のたゆとう流れに、清新な空気を送り込む話で目を開かされた。

 心不全では血圧、脈拍、呼吸に異常が現れる。この中で不規則で浅い呼吸の異常に着目し、規則的でゆっくりした深呼吸が心不全の軽減に有効という新事実を見出したという報告がされた、初めて聞く話。コロンブスの卵のようでいて、凡研究者には思いつけない発想で素晴らしい。

 呼吸が如何に大事かと聞いてヨガや太極拳を連想し、これは温故知新ではないかと昔の人の凄さに改めて恐れ入る。二年もすれば、実臨床に行き渡りそうな新知見で、はるばる越中富山から来てくれたA先生を地方の特効薬とダジャレで賞賛、失礼しました。

 

 

コメント
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