駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

出版社の香り

2012年03月21日 | 

      

 活字中毒(軽症)を自任し、月に二、三十冊ほどの本を購入し積読をしている。その割に出版社に興味がないというか知識がなく、時々懐かしい晶文社何処へ行ったと思う程度であった。

 しかし最近、どうも自分は本屋に行くと、ちくま文庫の前に立っていることが多いのに気付いた。昨日も映画の帰りに寄って、料理の種本とちくま文庫を二冊購入してきた。

 出版社の個性はあると思う。その道の人が話し出せばきっと際限もなく、ああでもないこうでもないと語りつくせぬ味があるはずだ。そしてその後ろには、自分が良いと思うものを、片目で採算も視野に入れながら静かにコツコツと、編み出す編集者と出版人が居るに違いない。

 なぜ自分がちくま文庫の前に立つことが多くなったかよくわからないが、やはり何か惹かれるものを感じるからだとしか言いようがない。そして、それが本屋の良さなのだ。ネット書店ではこうは行かない。まあ、結局見開き二ページしか読まない本でも、手を伸ばし買ったからにはなにがしかの縁を感じ、ちょいと撫ぜてやりたい気分がするものだ。

コメント
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