駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

寒さに震える梅の花

2009年02月24日 | 自然
 今朝通りかかると、十日ほど前に咲いた梅が昨日今日の冷たい雨と寒さにしぼんでいた。関東以西は何十年振りかの暖冬だったそうだが、気温の上がり下がりも平年以上ではないかと感ずる。生物にとっては厄介な現象で、春モードに切り替えたスイッチをまた冬モードに切り替えているのだろう。おじさんも早々と片づけられたパッチはどこだと騒いでいるかもしれない。
 馬鹿は死ななきゃ治らないと言うと語弊があるかもしれないが、個体の遺伝子はごく微量の変異を除いて一生変わらないわけで、遺伝子の変化と淘汰は何百世代を経ないと実現できない。人間は結構長生きなので、環境の変化が早いと遺伝子の変化が追いつかない。今までもそういう傾向はあったのだが、ここに来て環境の変化に社会の目まぐるしい変化が加わり、人間の変化が追いつかなくなっている。まあ個体の一生の中で起きる数十年単位の変化には科学技術の発達と規範の拡大解釈で、何とか身を守り辻褄を合わせてきたが、やがて追いつかなくなるのは必至と観測する。どうすればそれを切り抜けられるかは、勿論私の手に余る問題だし自分の生きている間は何とかなってゆくだろうと思ってしまうのだが、「東風吹かば匂いおこせよ梅の花、人類なしとて春な忘れそ」になっては困るなあ。
コメント
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