駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ヒラリー来たる

2009年02月17日 | 人物、女
 ヒラリーがやってきた。笑顔でタラップを降りる。堂に入った握手、明快で知性溢れるスピーチ。年齢をいくらかは感じさせるが、それも好ましく見える笑顔に魅了される、素敵な女性だ。
 思わぬ斬新なオバマの出現で破れはしたが、オバマ以外の対立候補であれば一蹴していたであろう。当然自分が選ばれると思っていた油断から自負が僅かであるが高慢に傾いていたのが、民衆に見抜かれてしまった。それにまあ改革と言っても既成路線の継承というイメージを打破出来なかったように思う。いささかの失意を味わっただろうがしかし、オバマ陣営の国務長官を受け、見事に立ち直ったかに見える。
 それにしてもなんと見事な笑顔とスピーチであろう。当たり前だが言葉に力と意味がある。焦点の定まらぬ眼で呂律の回らぬ人や浮かぬ顔で虚勢を張る人の顔と内容の乏しい言葉に慣れているせいだろうか。
 申し訳ないが中曽根では全く太刀打ちできない。(ちらりとあの方ならと名前が浮かぶ)。
 誰が日本を最初の訪問国に選ばせたのか、もしヒラリー自身の選択としたら、私の論評など笑止千万だが、本当に好判断だと思う。ヒルがマイボスと言うのは当然だ。
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村上春樹イスラエルでのスピーチ

2009年02月17日 | 世の中
 村上春樹の作品はたぶん四分の一くらい読んでいる。夜更けまで話し込む遠来の友のようで、他人の気がしない。
 エッセイも好きで雨天炎天など何度読んだか知れない。彼のポピュラリティに絡んだ屈折した批評を時に眼にするが、小説は何よりも読まれることが本筋で、作家の力量を表していると思う。彼の大多数の読者は批評を読んで読むわけではない。手にとって読めば読んでしまうのだ。
 川本さんがサリン事件で意外な社会性?を見せたとちょっと驚いていた(違和感は表明されていない)が、今度のことには驚いてはいないだろう。卵を掌に佇み、歩み、時に走る人だ。意外な春樹ではなく、其処にいる春樹なのだ。同時代のかけがえのない伴走者、春樹に心底から拍手を送る。
 
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