駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

霞む老舗でコースは賢明か

2009年02月16日 | 小験
 所用で東京へ出た。折角だからホテルを出て夕食をということで、昔懐かしいRという中華料理の老舗に電話した。当日だから無理かなと思ったら空いていた、微かに悪い予感がしたが出かけた。
 街並みが25年前とは変わっており、家内はあちこちうろうろ歩くのを嫌うのだが、店を探して7,8分歩き回らざるを得なかった。ご機嫌斜めになった人とメニューをあれこれ選ぶ雰囲気でなく、一番簡単な(といってもとても高価)コースを頼んだ。
 どうしたことか前菜が出てから次の料理が出てくるまで混んでもいないのに30分以上待たされた。うんざりして、不満げな顔を向けるとボーイが「お待たせして申し訳ありません」。紹興酒をサービスですと持ってくる。そうではなくて、説明と丁寧な陳謝を求めているのだが。
 さて漸く料理が来たかと思えば隣のテーブルの分で、帰り際に女性店員が家内のバックが置いてある椅子に躓き家内のバックを床に落としてしまった。「すいません、すいません」。と米搗きバッタのように謝られてもなあ。あなた今日が初めての出番ではないでしょうに、料理を手に持っていなくてよかった。
 ついにフカヒレ僅かに漂うスープが運ばれてきた。あれ上海なのにピリ辛だぞ。スープが終わると、こんどは立て続けに料理が運ばれてきて、あっという間にデザートになった。勿論そこそこ美味しかったが、値段に見合うかと言われれば否だ。それに多少損ねかけていた機嫌を回復させる楽しいサービスでもなかった。折角の四半世紀前の、美味しかったという記憶にもヒビが入ってしまった。
 店を出てしばらく歩き、もう来ないなあというのが二人の結論であった。
 さて初めての店での注文の仕方だがコースかアラカルトかどっちが幸運に恵まれることが多いだろうか。七、八百円のランチなら外れても、ああそうかでお仕舞いなのだが、わざわざ食事を楽しみに出かけ、そこそこのお値段の場合は、良かったまた来たいと思いたい。
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遅すぎるのか早すぎるのか

2009年02月16日 | 小考
小泉元首相が堪忍袋の緒を切らしたか、麻生首相を痛烈に批判した。奇人変人が極楽とんぼを一撃というところか。
 奇人変人という評はある程度当たっているように思うが、今回小泉さんが言っていることは常識的というかまともなことだ。一万二千円の定額給付金を一千億を超える経費を使って誰彼となくばらまき、景気刺激効果が大きい名案だと言い張るのは、常識では理解できない。それは郵政民営化是非で得た衆議院議席数を頼み、三分の二賛成の再議決で可決させるほどの政策とは思われない。
 郵政民営化を生かすも殺すも、運用法とそれに携わる人の選定に掛かっていると思う。一、二年で結論が出るとは思えない。うまくいかなそうだと見るや、俺は本心では反対だったんだとなどという人は政治家の前に人間として信頼しがたい。政治家は正当な手続きで決めたことは、間違っていたなどと軽々しく口にする前に、十分な手立てを取ったか反省し、当事者精神を持って履行する義務がある。
 正当な手続きを踏んで決めたことをなし崩しに反古にしては、国が成り立たなくなる。もし最大の努力をしても小泉改革が機能しないと言うなら、見直しのマニフェストを組んで、直ちに解散しなければならない。
 麻生さんは何を言われても、強弁で押し通そうとする。それでは奇人変人と同類ではないか。俺は間違っていない、正しいと強弁する人は批判の内容を吟味せず、表面の形だけを取り繕うのでほとんどいつも間違っている。もし本当に自分に非がなく正しいと思っているなら、奇人変人に遠く及ばない。
 
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