玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*DVDを観る会

2023年10月26日 | 捨て猫の独り言

 主のいなくなった隣の家の、小さなカキの木に色づいた実が重そうにぶら下がっている。我が家の高い柿の木にも、例年より多い数の実がついた。難点は重い三脚梯子を持ち出さねばならないことだ。この歳になると背伸びするだけで収穫ができる隣りの柿の木が好ましいものに思われてくる。

  

 日曜の午後、公民館で吉永小百合主演、山田洋次監督の映画「母と暮らせば」を観た。観客は主催者の2名を除くと6名、しかも高齢者ばかりとちょぴり寂しいものだった。井上ひさしの戯曲に、広島の原爆投下で亡くなり亡霊となった父と生き残った娘の物語「父と暮らせば」がありこれは2004年に映画化されている。

 井上ひさしは「父と暮らせば」と対になる作品を「母と暮らせば」という題で長崎を舞台に作りたいと思いながら2010年に亡くなっている。終戦70年の2015年にその遺志を山田監督が引き継いで映画化した。長崎の助産師の母(吉永小百合)のもとに3年前の原爆で死んだはずの息子が現れる。当時医師を目指していた彼(二宮和也)には将来を約束していた恋人(黒木華)がいた。

 「父と暮らせば」を映画化したのは2006年に亡くなった黒木和雄である。黒木監督の「美しい夏キリシマ」と「紙屋悦子の青春」の二つの作品を観たことがことがある。その突き抜ける土着の情念とでもいうべきものに深く共鳴し畏敬の念を覚えた監督だった。「TOMORROW明日」「美しい夏キリシマ」「父と暮らせば」は戦争レクイエム三部作と呼ばれている。まだ観ていない二作をいつの日かという目標ができた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« *ある秋の日 | トップ | *目取真俊のブログ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

捨て猫の独り言」カテゴリの最新記事