玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*資本論

2021年02月01日 | 捨て猫の独り言

 経済の本を読んでみようかと思った。図書館の本棚を眺めて、出版社や装丁などから相性の良さそうなものをさがした。選んだ一冊は日本評論社の[レクチャー現代資本主義]「日本経済の構造と分析」だった。著者は降旗節雄で2009年に78歳で死去している。幸いにも最後のページまで読んでやろうという気にさせる本だった。

 まだ途中までも読み進んでいない。そんな折「100分de名著」の1月は「カール・マルクス 資本論」だということを知り、あわててテキストを買いに走った。講師は「人新世の資本論」などの著者1987年生まれの斎藤幸平という。なんと今、書店に多数の「資本論」関連の本が並び、若者が手に取る姿が見られるそうだ。

  

 人類の経済活動が地球のあり方を根本的に変えてしまったという事実を強調するために、「人新世(ひとしんせい)」という地質学の概念が、さまざまな分野で使われるようになったという。こちらのNHKテキストの方を先に読み終えた。番組の第3回で取り上げられた具体例、学校給食の「自校方式」と「センター方式」の解説には大いに納得する。

 番組の第4回のキーワードは「コモン」だ。コモンとは共有財産のこと。水や森林、あるいは地下資源といった根源的な富は「コモンとして」みんなで管理していこう。そこで取り上げたのは2018年種子法廃止(その理由はさらなる民間参入促進)。ついで2020年種苗法が改正され、種の商品化が進むことを危惧する。そして脱成長型の街作りに舵を切ったアムステルダムが紹介されていた。

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2 コメント

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Unknown (100分de名著)
2021-02-05 16:59:35
次々に本質論の本を読んでおられます。資本論は若い学者の解説本が出たり、環境破壊、経済格差の中で改めて注目されているようです。真意は「コモン」であって、ソ連東欧がやったような乱暴な国有化、官僚既得権でもなく中国のような覇権の国家資本主義でもない。マルクスは偏見なく再評価する必要があるようです。資本主義の弊害はどこから来るか、制度的に人間の欲望を全肯定だから、小手先の規制ではムリがある。さて、次の時代をどう展望するか、今後が楽しみな10年~20年になります。
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いろいろな危機 (捨て猫)
2021-02-06 14:41:16
スウェーデンのグレタさん(18歳)などの若い世代の活躍に期待しています。これまで浮かれて生きてきたという思いの強い私にとって、若い人たちの行動力はまぶしく感じられます。金融危機、新型インフルエンザの感染爆発、地震、地球温暖化問題などいろいろな危機について、我がこととして考えることに努めるつもりです。
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