玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*昼めしと芹沢銈介

2020年10月26日 | 捨て猫の独り言

 鹿児島市内の昼めしならば、決めている店が二か所ある。空港からのバスを中央駅で降りて「たぐち」に向かう。その途中、中央駅東口(桜島口)側にひときわ目立つ高層住宅が建設中だった。西田橋のたもとにある「たぐち」の日替わり定食はとんかつだった。店の老夫婦は健在で、今年の厨房にはその息子さんと思われる方の姿があった。

 ザビエル公園近くの「よしみ屋」には2日目に母と妹の三人で出かけた。私の注文はラーメンとチャーハンそれぞれ小の組み合わせに決めている。昨年は大相撲の「明生」のことを若い主と話した。壁に新しいの手形の色紙が飾られている。誰のものか判読できずに尋ねると「白鵬」のものだという。明生のものが欲しかった。

 一昨年に母から「94歳の手習いで水彩画」という地元紙の記事がファックスで送られてきた。そこにはカルチャースクールの51歳の男性講師の「90歳を過ぎて絵画教室に飛び込む人なんかいない」というコメントと、二人が一緒の写真があった。母は絵も書も素人離れの腕前だが、惜しいことにその子たちは誰一人としてその才を受け継いでいない。母は描くことが生活の中の楽しみの一つであったが、さすがに今ではどちらの筆も取ることはないようだ。

 

 妹は若い頃から芹沢銈介の存在を知っていたという。民芸運動の主要な参加者で、型絵染めの人間国宝である。母は芹沢作品と知らずに、自分の感性のままに選んで、日常的に身の回りに置いていた。私は最近になって日本民芸館を訪ねたときに芹沢銈介のことを知ったにすぎない。妹はことさら言うまでもないことだと黙っていたようだ。私の一人遊びのために碁盤が出してあった。碁盤の前に置かれた昔からある座布団が、芹沢作品だと妹は言う。これは初めて見るのだが、碁盤にかけられているカバーも芹沢作品だった。

  

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