玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

国分寺崖線

2006年11月22日 | 捨て猫の独り言

 53歳のピーター・フランクルさんは日本の学校で問題だと思うのは、運動部の部活動だと考えている。朝練もあり、放課後も夜まで練習をし、さらに土曜日も日曜日も、夏休みはもちろん、時には正月でもやる。週末に家族で出かけようとしても、試合があって、結局どこにも行けなくなる。今の日本の部活動は中毒。それしか頭に入っていない。自分のやっているスポーツ以外にも読書、映画・音楽鑑賞、地域の人々との交流など、自分の視野を広める有意義な活動が世の中にはいろいろあると主張する。学校があまりにも多くのことを抱えすぎるのだが、なかなか改善される兆しはない。

 10月29日に引率責任者として国分寺にある早稲田大学系属・早稲田実業学校高等部を訪れた。我が男子バスケット部は中学で運動クラブ中毒にかかった生徒が多い。高校になると時々OBが技術指導を行う程度なので少しは中毒もやわらいでいる。部員はそれが不幸なことと考えているのかもしれない。早実は新日鉄の社宅とグランドを買収し02年から国分寺に引っ越した。駅から7分である。男女共学となり初等部も開校した。04年に王貞治記念グランドができた。王の好む 「気力」 の文字が入った記念碑がある。細長の敷地は狭い。野球場のスペースは無理だ。当然のことだが校舎は地形に合わせて設計されている。高等部の一学年400名は多い。

 この日の試合は111対51の圧勝であった。つぎの3回戦の対戦相手は昨年度の優勝校と決まった。1年生がつぎのゲームのオフィシヤルを務めている間に自転車で近くを散策する。我が家から20分であった。北側の通りの向こうは小金井市である。南には細長い住宅街があり少し段差があってそこをJR中央線が東西に走っている。近くに線路を挟んでさらに南側に東京経済大学がある。中央線と大学は段丘の上にあり、そこから南は急な傾斜の地形になっている。国分寺の駅から大学に辿りつくには急な坂道を登る。自転車は降りて押し上げるしかない。国分寺崖線=「はけ」である。「はけ」とは「がけ」意味する言葉で多摩川の侵食によりできた河岸段丘下の道のことである。

 解散前に教師から何らかのコメントを出すのが常である。簡単に試合運びの感想を述べる。そして初等部の一部は小金井市にかかっていることや、自分の庭に涌き水を持てたらどんなに幸せなことかを話す。早実の正門前は坂になっている。そこで「はけ」の話をした。はけと言うとすぐに笑いが起きた。地形の話が続いて 「今日の落ちは何ですかと」 打ちきりの催促だ。後に辞書を引くが国分寺崖線は辞書には出ていなかった。刷毛に毛がありはげに毛はなしなどと余計なことを言わずに良かった。

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