玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*鈴木邦男の著作(中)

2023年04月27日 | 捨て猫の独り言

 1970年に起きた三島事件で民族派運動から足を洗いかけた鈴木さんたちは同年輩の森田必勝の自刃に衝撃を受けて、その後ろめたさから第一水曜日に勉強会「一水会」を始める。一水会の機関誌「レコンキスタ」はスペイン語で失地回復を意味する。

  新右翼の主目標はヤルタ・ポツダム体制の打破である。つまり安保と憲法を二つながらに否定する。その精神は在野であり、反体制でなければならない。60年安保は反米の国民的抵抗運動であったが、右翼は「反共」という大義名分で安保支持に回ってしまった。

 1972年に左翼による三菱重工爆破事件が起きる。そのことについて鈴木さんの「腹腹時計〈狼〉」が出版された。「今までと全く違う左翼が出てきたということに興味を持って書いたのだがマスコミからは新右翼が新左翼の爆弾闘争を評価した、という形で報道され、これで新右翼という言葉も定着したようだ」と語る。

 最後の章は「国家が暴走する時代をどう生きるか」だ。 「国家が強くなれば国民も強くなれると国民は思う。 錯覚なのだがそう思わせるムードがある。 憲法を改正し、自衛隊を国軍にしてアメリカと共に世界に出てゆく。 テロには屈しないというイサマシイ言葉だけが先行して、イスラム国に捕らえられた日本人は見殺しだ」 

コメント
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