玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*新聞を読む

2020年07月20日 | 捨て猫の独り言

 順調だったキュウリの収穫がぱたりと止まった。葉は繁り、花は咲き誇るが実をつけない。ゴーヤも同じ状態に陥っている。コロナ禍のもとで、3日からの九州豪雨に始まり列島は雨の日が続いている。豪雨被害に加えて日照不足による農作物の生育不良の被害も起きていると考えられる。

 

 新聞をめくると川柳の欄にはすぐ目が行く。情けなくそして悲しい川柳がある。「飼い主と○○はマスクで個性だし」「幇間にコロナ任せ○○小屋へ」どちらの○○にもおなじカタカナ2文字が入る。そして大勢の方が同じ思いもっているだろうと推測されるつぎのような歌がある。「宰相がテレビ会見するときは節電タイムと決めてる我が家」

 朝日一面の鷲田精一「折々のことば」をときどき切り抜く。かなり前に吉本隆明の『「何のために」人は生きるかという問い・・・を拒否することが〈生きる〉ということの現実性だというだけです』が取り上げられていた。そのあと170文字前後の鷲田解説がある。たまたま出典の「どこに思想の根拠をおくか」が本棚にあったのでその個所を捜してみた。

 該当箇所らしきものはすぐに見つかったが、解説の方が簡潔明解である。謎を解き明かしてくれる。「人には泣く泣くせざるを得ないこと、なしくずしにずるずると生きざるをえないことこともあり、なぜそうなるのかを問うほうが先だと詩人・思想家はいう」という解説に納得させられる。鷲田氏は独自の切り口により、取り上げた出典に新たな意味を的確に付与する。なによりもそのただならぬ読書量に脱帽。

コメント
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