6月16日朝刊一面トップに「イージス計画停止」の大見出しが踊った。この事態を予測できた人は少ない。日本の政治家に失望している者にとっては、一筋の光明が射した気がした。お上の決めたことが覆るなんて、この国では政権交代がない限り考えられないからだ。河野太郎防衛相が「費用、期間を考えれば配備は合理的でない」と表明したのである。
自民党から民主党に政権交代した時のことだ。民主党の議員グループの事業仕分けの様子を見ながら河野太郎が「うらやましい」とつぶやいた場面が報道された。私はこの印象深い場面のことを今でも覚えている。また太郎は2002年に肝硬変が進行していた父・洋平に自らの肝臓を提供して、親子間での生体肝移植を行っている。
イージスについては事の始まりを知りうんざりした。2017年トランプ大統領が「非常に重要なのは、首相が(米国から)膨大な量の兵器を買うことだ」と欲求。安倍首相も「米国からさらに購入していく」と応じていた。その一月後に配備が閣議決定された。トップダウンの決定に防衛省内からもとまどいの声があがっていた。こうした声はかき消され導入ありきで進んでいったという。(6・29散歩、ノカンゾウ、ネムノキ、シロバナキョウチクトウ)
さあつぎは辺野古だ。河野防衛相は2月18日に辺野古調査団が護岸崩壊の可能性を指摘したことに「そのデータを使えばそうなると思う」と話した。調査団は3月2日に設計などの問題点を7項目にまとめた質問書を沖縄防衛局に提出、問題地点の再調査を求めた。安倍政権は3月10日「追加のボーリング調査等を実施する必要があるとは考えていない」とする答弁書をわざわざ閣議決定した。現在土砂が投入されているのは軟弱地盤の大浦湾とは反対側の区域である。沖縄の人たちは休むことなく非暴力の抗議を続けている。連日の抵抗の様子を知るため、私は目取真俊(1960年生まれ)氏のブログ「海鳴りの島から」を欠かさず目を通す。