玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*女性リーダー

2018年12月03日 | 捨て猫の独り言

 2016年の年の初めには、台湾とアメリカに新たな女性リーダーが出現するというのが大方の予想だった。1月には予想通り台湾に民進党の蔡英文総統が誕生した。しかし11月になってアメリカにヒラリー・クリントン大統領が誕生することはなかった。それよりずっと前にドイツには2005年に女性のメリケル首相が誕生している。理系の博士号(物理学)を持つ。1954年生まれで昨年4期めを迎えているが、今回の地方選挙の大敗の責任を取り3年後の引退を表明した。(写真はビワの花、ユズ、茶の花)

 

 「私は誰かのことをあれこれ言うのではなく、当人と直接話すべきだという考えです」というのはメリケル首相がよく使う表現だ。目を見て語り合えば、解決策は見つかるという信念だろう。「他人が違う意見だからといって恐れることはないと断言し、人間関係につきものの「好き嫌い」とは無縁。人の悪口は一切口にしない。この姿勢は2005年首相就任以来一貫している。

 上記は「対話姿勢 今こそ評価を」と題する11月23日の記事である。書いたのは毎日新聞ベルリン支局の中西啓介記者だ。福島原発事故後の2011年には「2022年までに国内17基すべて原発を廃止する」ことにし、2015年には東欧に足止めされていた中東難民らを受け入れる判断をした。統一通貨ユーロ危機では欧州連合などによるギリシャ救済を実現させた。いずれメリケルなき国際社会が訪れる。

 台湾では9月24日にあった統一地方選で1956年生まれの蔡英文総統が率いる与党・民進党が大敗した。同日実施された住民投票では脱原発政策や同性婚容認といった、蔡政権で進みつつあったリベラル路線が否定される結果となった。民進党の牙城である南部の高雄市で圧勝した国民党の韓国瑜氏の存在が大きかったとされる。おもろいおっちゃんらしい。蔡総統には残りの任期で政策実現へ向けての奮闘を期待したい。

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