沖縄の願いは普天間基地即時撤去、辺野古新基地建設NO!である。それに配慮すれば安倍政権は普天間飛行場の運用停止と移設計画の見直しを米国に求めてゆくという選択肢も考えられた。しかし2011年‣6の日米安全保障協議委員会で辺野古にV字形の滑走路の建設の合意をたてに「辺野古が唯一の解決策」にしがみつくばかりである。
とうとう12月14日に埋め立て工事は強行され、辺野古の海に土砂が投入された。新聞の見出しに「原状回復は困難に」とあったが果たしてそうだろうか。今回土砂投入を始めたのは米軍キャンプ・シュワブ南側の護岸で囲った海域で、埋め立て区域全体の約4%だ。これで工事が本格的に始められるというわけでなく、沖縄に対する嫌がらせに過ぎない。
安倍政権の政治目標が沖縄県民を諦めさせることにあるなら、政治に対する考え方が根本的に誤っている。できるだけ早く土砂投入に踏み切って来年の選挙までの間隔をあけ、影響を最小限にとどめたいとする姑息な考えがあるのかもしれない。水深の深い東側の工事は未着手で、そこには軟弱地盤の存在が指摘されている。
県の独自の試算によれば、その大規模な地盤改良工事には5年かかり、移設完了には13年以上先になるという。政府が2014年に県に約束した5年以内の普天間飛行場の運用停止の見通しは全く立たず、政府が当初計画で約2400億円と試算していた工事費用も2兆5500億円にまで膨らむといわれる。「投入された土砂は一部でしかない。諦めずに移設について話し合い、考える時間はまだある」