玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

胡桃の小宇宙

2006年07月02日 | 捨て猫の独り言

 自宅の机の下には胡桃の入ったザルが2つ置かれている。酒のつまみに食することもある。余った胡桃はいつまでも装飾物のように机の下にある。学園の敷地には卒業生が植えた3本の胡桃の木が毎年のように実を落す。椎の実も落ちるがこの実を拾う人は今では少ない。他にもトチ、梅、ぎんなん、竹の子など収穫物が豊富である。これらは家庭科の調理実習にしばしば用いられている。

 胡桃は近隣の人たちもやって来て拾う。やきもきした家庭科が実の落ちるのを待たずに竹ざおではたいていたこともあった。胡桃を拾うのは秋の長雨の時である。

 胡桃の記事が新聞に出ていた。これは見逃さない。他のナッツ類に比べてリノレン酸が多く含まれている。マグロやイワシなどの魚をたべるのと似た効果がある。老化防止=抗加齢=アンチ・エイジング用の食材として注目されている。国内で消費される胡桃の9割は米国カリフォルニア産だ。消費の8割はパンや菓子で、1割が佃煮、残りがミックスナッツ向けである。

 胡桃を割るための道具を買ったときに何か新鮮な気持ちになった。自分が育った南の地方には胡桃がなかったせいかもしれない。この自然界には異種間に驚くほど類似した形態がさりげなく散りばめられている。胡桃の実と人体という自然との間に3つの類似を見てしまうのは私だけだろうか。胡桃の殻は、男の生殖器官の一部分、殻を割ると実の表面は人の脳、実を2つに開くと女の生殖器官の一部分である。自然界の造形の不思議に打たれる。いやそれよりも私の思い込みは度し難いというべきかもしれない。

コメント (1)
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