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フランス映画4本・「奇跡の教室」が批判したものは

2024年01月13日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

今年に入ってから見た映画。すべてフランス映画です。

マルセイユに住む14歳の移民の男の子と3人の兄とオペラ歌手で子供に歌を指導している女性のお話。

映画『母へ捧げる僕たちのアリア』公式予告編 2022年6月24日(金)シネスイッチ銀座ほか全国公開! (youtube.com)

母へ捧げる僕たちのアリア | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリー (natalie.mu)

 

こちらもパリ近郊(ベルサイユの近く)の14歳の男の子と、転校生の男の子のお話。

映画『グッバイ、サマー』予告編 (youtube.com)

グッバイ、サマー - Wikipedia

 

こちらはマルセイユ近郊のさびれた村に住む父親が脳卒中を起こしたため帰郷した娘(50歳前後か)が主人公。

映画『海辺の家族たち』予告編 - YouTube

海辺の家族たち - Wikipedia

 

こちらは、上記の映画の主人公でもある女優さんが教師役を務める映画。

映画『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』予告編 - YouTube

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ - 作品情報・映画レビュー - (kinejun.com)

奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリー (natalie.mu)

 

この4番目の映画は「移民が集まる学校で、生徒たちをまとめ上げる話」というところは先日書いた『12か月の未来図』と同じです。

2017年のフランス映画『12か月の未来図』-1 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

2017年のフランス映画『12か月の未来図』-2 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

2017年のフランス映画『12か月の未来図』-3 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

 

生徒のを変化させたのが「ホロコーストを調べて」というところのに違和感があるのですが(フランスにいて、ここまでホロコーストに無知か?)、これは「実話」に基づいているそうです。

ただ、この映画の作り方は、ユダヤ人の悲劇だけに目を向けるのではなく、イスラム系の差別、宗教差別(プロパガンダ)に目を向け、教師は生徒に抽選制まで教えているよう。

抽選制 (y-history.net)

古代ギリシアの代表的ポリスであるアテネでは、前478年にアルコン(執政官)も抽選で選出されるようになった。将軍職(ストラテーゴス)のみは、民会で選挙によって選ばれ(10名)、再任が認められた。アルコン以下の公職者もクジで抽選され、民衆裁判所の陪審員などにも適用された。  抽選制、複数制、任期1年という原則は、役人にしろ、裁判にしろ、それを職業とするプロフェッショナルが登場するこを不正と腐敗の原因であると考えたギリシア人が、あえてアマチュアによる政治と裁判にこだわり、市民の参加と責任で自らを統治していくという民主政を維持する上で必要なことであった。

(後略)

この映画にでてくる強制収容所の生き残り男性は、「無宗教になった」と言います。

この映画のモデルとなった実在の先生がどう考えていたのかはわかりませんが、この映画の作り手がは、「ユダヤ人の悲劇を学ぶ必要と同時に、選民思想が平和を壊していること。」に観る側に気が付いてほしかったのではないか、と思うのです。

下の説明はユダヤ教についてだけですが、キリスト教、白人、ナチス、政治家、エリート・・選民思想がはびこっています。

「選民思想(せんみんしそう)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

わが民族は神に選ばれた特別な民族であるとする宗教的思想。特にユダヤ教は選民思想に根ざした教義を持つことで知られる。ユダヤ教およびイスラエル人の思想的特徴として選民思想が挙げられることも多い。

選民思想は、自分たちが(神の選びたもうた)優れた民族であるというエリート意識を伴うが、必ずしも他民族・他文化の否定に結びつくわけではなく、むしろ選民として他の民族を救済し、従え、率いて行かなくてはならないという使命感に結びつく。

選民思想・選民意識が選民とされない他民族からの同意・了承を得ることは困難といえる。ユダヤ教を信仰したユダヤ人がローマ帝国から迫害を受け、方々に離散(ディアスポラ)し、長い年月を経てもなお堅い民族の結束を維持している点には、選民思想が多分に影響を与えているといえる。

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