新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

ちょっと小ネタを…

2010-05-01 17:39:36 | 日記・エッセイ・コラム

ロクでもない理由から、小ネタを挟みます。


100501_2_1美術館をハシゴ(その1)」で、駐車場代を浮かせるためにネクタイを買ったことを書きましたが、右がそのネクタイ。


何の柄か判りますか?


実は、豚と真珠貝で、金言「豚に真珠」を表す意味深(?)な柄です。


聞くところによると、「豚に真珠」という言葉は、マタイによる福音書7章6節


神聖なものを犬に与えてはならず、また、真珠を豚に投げてはならない。それを足で踏みにじり、向き直ってあなたがたにかみついてくるだろう


から出たそうな。
私はキリスト教徒でもなければ、犬や豚をバカにするつもりもありません。
ただ、「たまには変わったネクタイをしてみたい」と思っただけのことです。

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美術館をハシゴ(その1)

2010-05-01 09:13:58 | 美術館・博物館・アート

きのう、好天に誘われて、ドライブがてら2館の美術館をハシゴしてきました。


100501_1_1 まず一つ目は、3月7日の記事「街で見かけたかなり気になるポスター」でふれた「美しき挑発 レンピッカ展」(@ Bunkamura ザ・ミュージアム)。


1898年にワルシャワで生まれ、1980年にメキシコのクエルナバカで亡くなるまでの約80年間にわたるレンピッカの人生は、亡命あり、「時代の寵児」扱いあり、離婚あり、再婚あり、鬱病あり、夫との死別あり、回顧展の失敗あり、再評価ありと、まさしく「人生波瀾万丈」。
その中で、傍から見て、もっとも彼女が輝いていたのは1920年代央~1930年代初ではなかったかと思います。


私のコレクションに20年以上前に買った芸術新潮(1988年4月号)があります。
特集のタイトルは、「世界が恋する1920年代

100501_1_2この特集は、目次に書かれたコピーを拝借すると、


第一次大戦が終わって世界がホッとした ニューヨークには次々に摩天楼がそびえ、 革命のモスクワではアヴァンギャルドの華がひらいた ファッション界をリードし、カフェに芸術家が群れるパリ 超インフレと快楽のベルリンからはヒトラーが誕生 そして大震災から復興、モダンを貪欲にとりこむ東京---
微熱にうかされ、世界が"最も幸福だった"時代をひとめぐり 1920年代の夢と熱気をグラフィックに再現!!


とあります。

フランスで言う「狂乱の時代(レ・ザネ・フォル)」、アメリカで言う「ジャズ・エイジ」です。

レンピッカの画業は、1930年代央以降もずっと続きますが、歴史に残る(であろう)彼女の作品の大半はこの10年足らずの期間で描かれたように感じられます。

モデルの存在感あふれるポーズと鋭いまなざし、金属的でありながら艶めかしい面の輝き、いや~イイです


特に気に入ったのは、レンピッカの家族が描かれた一群の作品でした。「レンピッカ展」のポスターにもなっている「緑の服の女」(モデルは娘のキゼット)、「自画像」(緑のクルマを運転する構図。下の画集の表紙デス)、「ピンクの服を着たキゼット」、「初めて聖体を拝領する少女」(モデルはキゼット)、「タデウシュ・ド・レンピッキの肖像」(モデルは離婚直前の夫)、「シュジー・ソリドールの肖像」(モデルは「愛人」のシュジー・ソリドール)とか…。

レンピッカ (ニューベーシック) (ニューベーシック・アート・シリーズ) レンピッカ (ニューベーシック)
(ニューベーシック・アート・シリーズ)

価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2002-12-19

1930年代後半以降に描かれた作品も、決して悪くはないのですが、別にレンピッカでなくてもかまわない感じ(意味、判ります?)。

100501_1_3 世界恐慌を経て、祝祭が終わり、暗い時代に入っていくにつれて、彼女の作品が顧みられなくなったのは仕方のないことだったでしょうし、一方で、時代を反映した辛気くさい絵を描くことは彼女(右の写真は展覧会のチラシ最終面に載っていた1929年頃のタマラ・ド・レンピッカの肖像写真)にとっても面白くないことだったでしょう。

ですから、72年にパリで開催された個展をきっかけに彼女の画業が再評価されたことは、彼女には溜飲の下がる思いだったのではないでしょうか。
生きているうちにこうした歓びを味わえたことは、芸術家冥利に尽きることでしょう。


   


上で紹介した「タデウシュ・ド・レンピッキの肖像」は、威風堂々として、かっこよくて、「持って帰りたい作品」の1位か2位なのですが、絵をよくよく観て、描かれた背景を知ると、結構怖い…

この絵は、夫であるタデウシュ・ド・レンピッキとの離婚を挟んで、彼をモデルに制作されたものだそうで、そのため、結婚指輪をしていたはずの左手は、未完成(色彩ナシ)で残されたのだそうな。


この絵をかなり気に入った私でしたが、それ故に、図録を買うのをやめました。見本で見ると、色合いや雰囲気が、実物とかなり違うのデスよ。図録と並べて売られていた他の画集ポストカードもやはりダメ う~むデス。私の記憶に止めておくことにします。


   


美しき挑発 レンピッカ展」は、質・量とも大満足な展覧会でした。さほど混んでもいませんでしたし
Bunkamura ザ・ミュージアムでの開催は来週の日曜日5月9日まで。
その後、兵庫県立美術館(2010/5/18~7/25)に巡回します(日曜美術館 アートシーン)。


   


美しき挑発 レンピッカ展」を観終わった私は、質素な昼食を摂った後、駐車場に戻り(ネクタイを購入して駐車場代を浮かせた)、次の美術館に向かいました。

こちらは、また後ほど。


つづき:2010/05/02 美術館をハシゴ(その2)

コメント (2)
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