トランプ前大統領もロシアのウクライナ侵攻はアメリカの挑発が原因だと言っています。
「プーチンを援護射撃するトランプ氏とフォックス・ニュース(JBpress2022年4月18日)
「米国内にはウラジーミル・プーチン露大統領のウクライナ侵攻を「支持」する者がいる。
ドナルド・トランプ前大統領と同氏を支持する保守派フォックス・ニュースだ。(略)
トランプ氏はこれまで「ロシアがウクライナに侵攻したのは、ウクライナをNATO加盟させようとしたのが原因だ」という主張を繰り返してきた」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e841f3c3716b595f0af11216792c034a66524b61?page=3
この記事で気になるのが、ロシアとの取引を続けたい産業界はプーチン大統領を支持しているということです。
これは地球温暖化を認めない企業もそうなのですが、目先の利益しか考えていない人たちが自分の利益のために陰謀論をまき散らしているわけです。
三井誠『ルポ人は科学が苦手』に、20世紀後半から、規制を嫌う産業界と中絶に反対するキリスト教福音派が結びついて反科学勢力となり、共和党に大きな影響力を持つようになったとあります。
キリスト教福音派もロシア支持だそうです。
真鍋厚「ロシア情報戦に「Qアノン・反ワクチン」が接近…人が自らフェイクを求める理由とは?社会への不信の行き先」(ウィズニュース2022年3月25日)
「反ワクチンや福音主義者、極右などコロナに懐疑的なグループにおいて、ウクライナ侵攻をディープステートへの攻撃と称賛する陰謀論であふれかえっている。(略)
宗教学者のアンシア・バトラーは、アメリカの福音主義者たちが「イスラム教徒に対する強硬姿勢や、何よりも反LGBTQを掲げているロシア大統領に長い間惹かれてきた」事実に触れ、「プーチンの国家、家族、教会(この例ではロシア正教会)についてのレトリックは多くの人を魅了し、ここアメリカでも同様の政治的行動をとるように駆り立てた」と述べます。(略)
アメリカにおいては宗教右派、福音派のような人々にとって、バイデン大統領率いるアメリカ政府とウクライナが悪巧みをしているという情報は、真偽に関わらず大変好都合なのです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/4ace954403d39b36588ad92520a9f457b3ec2cff
なぜロシアはウクライナに侵攻したのか、真鍋厚さんは「ウクライナ侵攻がコロナワクチンの被害から目を逸らさせるためにアメリカ政府が作り出したという陰謀論が意図的にまき散らされていた」と紹介しています。
「トニー・ラエリアン」は、ディープステートがロシア経済を支配するためという考えです。
「「ウクライナ危機」の裏 堤未果の緊急解説講座の一部を公開!」(2022年3月25日)
●ディープステイト・DS側は、ロシアの支配の乗り出し、ロシアの民営化を推し進めた。プーチンは、このグローバル企業のロシア侵略の真の目的を知り、海外資本を追い出し、ロシアの資源など、ロシアが取り戻した。
●プーチンがロシア民営化を潰したことを受けて、周到なプーチン潰しが始まった。
●ウクライナはそのための「道具」となった。
●ディープステイト・DS側が、その国を支配する時に、IMF(国際通貨基金)が使われる。いわゆる国家間の銀行。金貸し。ウクライナに対し、お金を融資して欲しいなら、ウクライナを民営化しろと迫る。お金を借りてしまうと、もはや、ウクライナの主要企業なども、支配されてしまうという構図。
https://ameblo.jp/tony-9/entry-12733741523.html
これはまるっきりの嘘ではないと思います。
ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』は新自由主義の信奉者が何をしてきたかが書かれています。
アメリカ政府とグローバル企業は、戦争や自然災害、政変などの危機につけこんだり、内乱を起こすことで、過激な市場主義経済改革を強行し、アメリカとグローバル企業がその国の経済を乗っ取ってきた。
IMFや世界銀行も彼らに加担しており、IMFの勧告に従わないと、融資は止まり、為替は暴落する。
国営企業を民営化し、自分たちが利益を独占した。
国民には還元されないので、失業率が上昇して貧困層が増え、格差は拡大した。
自由を制限し、抗議行動を弾圧した。
チリのピノチェトら南米の軍事政権、アパルトヘイト後の南アフリカ、アジア経済危機、イラク戦争、ソ連崩壊後のロシアなどがその例です。
ですから、ロシア経済を自分たちのものにするためにプーチンの失脚を画策する勢力があるとは思います。
しかし、堤未果さんがディープステートに言及しているかはわかりませんが、ロシアのウクライナ侵攻の背後にディープステートがいて、トランプとプーチンはディープステートの世界支配に立ち向かう光の戦士だとなると、これは妄想です。
習近平や金正恩も光の戦士とされるかもしれません。
4月7日、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種会場に押し入って逮捕された人たちは神真都Qのメンバーだそうです。
https://www.sankei.com/article/20220407-TIFBBSTOLNKBXK4AAX3CCG3RFA/
神真都Q会結成宣言
http://urx3.nu/6rwh
陰謀論者がこうした行動を取るようになると、どんな考えを持とうが思想・信条の自由だとは言えなくなってしまいます。
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