埼玉県川口市のアパートで昨年3月、祖父母を殺害して現金を奪ったとして強盗殺人罪などに問われた当時17歳の少年(19)の控訴審で、東京高裁(秋葉康弘裁判長)は4日、懲役15年とした1審の裁判員裁判の判決を支持し、被告側の控訴を棄却する判決を言い渡した。
毎日新聞の「記者の目:埼玉・少年の祖父母刺殺事件」(2015年9月3日)を読み、ネットを見てたら、少年に拘置所でインタビューした「祖父母殺害、少年が拘置所で告白 公園暮らし、壮絶な生い立ち」というニュースがあり、むむむと思っていたので、高裁の判決には悲しくなります。
記事とニュースをまとめてみました。
2014年3月、埼玉県で祖父母を殺害し金品を奪ったとして強盗殺人罪などに問われた孫の少年(当時17歳)に、さいたま地裁は懲役15年(求刑無期懲役)を言い渡した。
少年は自治体や学校が存在を把握できない「居所不明児」として育った。
小学4年のときに別居していた両親が離婚、母親は知人男性から金銭的な支援を受けるかたわら、ホストクラブ通いを続け、1カ月帰宅しないこともあった。
5年生になると、母親はホストだという男性と再婚、3人で静岡県内へ。
学校に通ったのは2カ月間で、その後、住民票を静岡に残したまま埼玉県内などを転々とし、自治体も居場所を把握できなくなった。
両親は定職に就かず、金があるときはラブホテルに泊まり、なくなると公園で野宿。
14歳のとき、少年は役所に生活保護を求め、一家は簡易宿泊所に落ちつき、児童相談所が支援して、少年はフリースクールにも通い始めた。
しかし、2か月後、母親が「鳥籠の生活は嫌だ」と宿泊所を引き払った。
役所や児童相談所は少年の居所をつかめなくなり、支援も届かなくなる。
ささいなことで義父に殴られ、前歯が4本折れたこともあったという。
永山則夫のことや、反貧困ネットワークの会報に戸籍のない男性(30代)の話が載っていたことを思い出しました。
戸籍のない男性は、父親(パチンコで生活)と一緒に車であちこち移動していたそうです。
こうした子供たちはすごく多い。
戸籍がないから福祉などのサービスは受けられないし、学校に行っていないから仕事を見つけるのも難しい。
少年が実母と義父からネグレクト(育児放棄)や身体的虐待などを長期間受けていたことを考えると、無期懲役を求刑するなんてあまりにも酷で、検察は何を考えているのかと思います。
弁護人は少年院送致を主張しているそうですが、少年の更生、再犯防止を考えると、そっちのほうがましだと思います。
少年は、学校での勉強だけでなく、ろくな教育を受けていないわけですから、どういうふうに育て直すか、そこを裁判では考えるべきだと思います。
刑務所に15年も入ったら出所するときには30すぎ。
刑務所から放り出して、後は自己責任で、ということなら、あまりにも無責任です。
少年が言葉にできないままに発し続けたSOSに社会や公的機関が気づき、救えた機会はなかったのだろうか。取材を通じ、「大人、そしてこの社会は子どもたちにとって信じるに足る存在なのか」と、問いかけられているような気がしている。
母親は強盗罪などで懲役4年6月、服役中。
母親の責任は大きいわけですが、でも、この母親だけを責めていいものかとも思います。
母親にしてもどういうふうに育ったのか、虐待されていたり障害があったりするのかもしれないと思うようになりました。
『棠陰比事』(宋の時代に書かれた裁判記録集)にこういう文章があります。
裁判官や裁判員に読んでもらい、事件の背景をよく考えるようにしてほしいです。
はおかしい。
親の責任はないのか
ある意味祖父母もおかしいのではないか
死んで当然
その代表が橋下徹氏で、光市事件の弁護団叩きで大阪府知事になったというイメージが私にはあります。
少年犯罪は減っています。
斎藤貴男さんや堤未果さんの話によると、貧困家庭の子供は軍隊に入るしかないそうです。
なんでもアメリカにならえ、ですからね。
http://blog.goo.ne.jp/a1214/e/aab1dd1b755805b6b49c5d8daf7c47fc
http://blog.goo.ne.jp/a1214/e/b462c2e49b8e86986b16ae262cfc80e4
一般常識かどうかはわかりませんが、高校の日本史で大逆事件については習うでしょうけど、どの程度知っているかはわかりません。
再審無罪の4事件は多くの人は忘れたんじゃないでしょうか。
興味のないことは知ろうとはしませんからね。
東京高裁の裁判長は、相場で判決を出したんじゃないでしょうか。
名張毒ぶどう酒事件や袴田事件について、再審請求を棄却した裁判官は、奥西さんや袴田さんが本当に真犯人だと信じているのかと、ある弁護士に聞いたことがあります。
すると、たぶんそうだ、犯人でもないのに自白するわけがないと思っている、という答えでした。
すみませんが、それを教えてください(;^_^A
追記です。この川口の高齢夫婦殺人事件の担当の裁判長のことですが…裁判長側も、「少年の成育状況については把握してるけど~」と言いながら懲役15年くらわせたそうです。どう把握してるのか、さっぱりわかりません。
>厳罰化をさらに進めて、犯罪者を社会から排除し、そして受刑者に金がかかりすぎると文句を言う。
>じゃ、どうすればいいのかと思います。
あの人たちの頭の中には、刑務官の精神を犠牲にして人殺しをさせることしかないですから…
『税金がかかる!→じゃあ、とっとと死刑!』
くらいの考え方しかないんで。
話変わりますが、今の自民党、酒煙草競輪競馬まで18歳からOKにしようと考えていたようで…ついていけません(パチンコもOKにしようとしていたということかな)。
私個人、元々自民党にはついて行ってませんでしたが…。
厭でも、政府は、19歳以下の犯罪や『破滅』を増加の方向に持っていきたいみたいで…。しかも、全部、個人家庭の責任のせいにしたいようで。
それと、我が国の子供の貧困問題も気になります。未成年犯罪、これから本当に増えて行くのではないかと。
うちの国の『厳罰化好き』も行きつく所まで行けば、そのとき国民が初めて国民全体が「あれ?」と、気付くことになるとは思いますが…その頃は犠牲者も出まくった後になると思います。
あの麗華さんの飲み会の様子のサイト、教えてくださり感謝します!喜びながら見てしまいました^^
ちょっとおかしいと思う点が多々あり、ブログに書こうかどうか思案中です。
その一つが、高2の娘が毎日のように朝方に帰ってくるのに、父は怒鳴るだけ、母は何も言わないこと。
心配じゃないのかと思います。
『ビリギャル』はともかく、子供をほったらかしの家庭は珍しくありません。
でも、親も同じように育てられたので、自分の子供に対してどのように接したらいいかわからないのかもしれません。
悪循環ですね。
それと、少年の再非行防止活動をしている人の話だと、子供が非行していると相談に来る親は、非行歴のない人がほとんどだそうです。
これまた、子供をどうしたらいいかわからない。
実際、子供か帰ってこないからというので叱っても、言うことを聞くわけないですし。
親を責めればいいということでもないと思います。
17歳であっても無期懲役になるんだとは知りませんでした。
厳罰化をさらに進めて、犯罪者を社会から排除し、そして受刑者に金がかかりすぎると文句を言う。
じゃ、どうすればいいのかと思います。
親が悪さをしたことがなくても、子供が犯罪者になる可能性はあります。
他人事じゃないんですけどね。
私のブログは過疎ブログですから、コメントもあまりありません。
それでおも光市事件の判決は問題があるとまた書いたら、2ちゃんねるに拡散されて便所の落書きコメントがあるかもしれませんけどね。
と、書きましたが、「親になったらその人間は神・仏・聖人レベルにならねばならぬ」まで思ってませんからね(^_^;)。私の親も所詮人間。欠点が沢山ある人達です。
…ただ私の親は、『夜になって、子供がふらっと外に出て行く』のを止めない親ではありませんでした。
私の亡父は、祖父に3歳で捨てられ、母子家庭になった人で、祖母が苦労人で、親から放置されて育ったそうですが、それでも『子供時代に夜ふらふらした』なんていう記憶はなかったそうです。
それと…最近、こちらのブログで、『前からここに訪問していた死刑賛美派の人』が沈黙してる気がするのですが…私達の会話に呆れたのでしょうか?(´д`ι)
ここに来ていた死刑賛美派の方の書き込みを読むと、かなり前から円さんのことをご存じだったようですが…
あのオウムの方のご返答、読みました!勉強になります。ありがとうございます!
うわあ、私も、今日、自分のブログにこの記事アップしちゃいました!
http://ameblo.jp/nagayamanoririn/entry-12069383584.html
少し前からこの少年のこと知ってたんですが、基本、私のブログは『永山則夫がテーマのブログ』ということで、投稿するかどうかどうしようかな~と思ってたのですが、夕方のニュースを聞いていたら我慢ができなくなりました。『川口高齢夫婦殺害事件の被告少年』と『永山則夫』が重なったのです。
円さんと私とで、意見が異なる部分もあるかと思いますが、すいません。
私が憤慨しているのは、「少年法年齢引き下げ、まだなのかよ!」と、それを、最近、ネットに書き殴る連中の多いこと多いこと…
こういうニュースを聞いても、まだ、「犯罪を起こしてしまった少年(子供)だけが悪人だと思ってるのか?」と首を傾げます。
犯罪少年の家庭や親に問題が多いことがほとんどなのに、それでも、まだ〝未成年者や子供にばかり厳罰を科して解決すると思っている愚か者の多さ〟に呆れます。
現行法以上に年齢引き下げられたら、あの被告少年は、懲役15年どころか、死刑か無期懲役になってましたよ。
というか、ぶっちゃけ言いますが「少年法年齢引き下げ、まだなのかよ!」とネットで煽っている人達は、自民党の直接関係者なのか?まで最近思うようになってしまいました(-"-;
この川口高齢夫婦殺害事件の被告少年の場合は、母親に刑罰は科せられましたが…息子よりずっと刑期が少ないとはどういうことなのだ!?と思いました。
その少年が、ちゃんとした教育を受け、社会復帰のための資格をとらせてもらって、3年以内でシャバに出てくるなら理解できますが。
円さんと意見が異なるかもしれませんが…
私は、最近、子供が、夜ふらふらしていることや、
なぜか、それで子供が関係する事件が起きると、
「(子供が、外泊してたり、夜中にほっつき歩いてたけど、その)親を責めないであげて!
親は遺族になったんです!かわいそうです!」
などという連中のことが、まったく理解できません。
「親に責任はないのっ!親にだって、事情があるのっ!」と、言うのなら、一体・だれが・子供たちを守り・導くのでしょうか?
確かに貧困家庭や片親家庭には福祉の救いの手が必要なのはわかりますが、明らかに親が悪いと判る毒親の場合は、許しを請うに値しません。
『親を責めないで、それで、未成年や子供には厳罰を科せ!少年法年齢引き下げろ!』などと、うちの国の人たちは脳みそがどうかしてしまったとしか思えません。
どうしても、だれかに罰を食らわせないと気が済まないというのであれば、まず、大人、親から。親から親権をはく奪するなり、そっちが先でしょう。養子先のこともシステム整備が必要となりますが。
無論、そんな子供を放置していた社会にも責任はあると思います。
シリアからの難民の子供の…海岸に打ち上げられたご遺体の映像といい…【子供は社会の犠牲者なんだなあ】と、なんともやるせない思いです。
あ、肝心なことを。
この判決出した裁判長は、『さいたま地裁・栗原正史裁判長』だそうですが、私はこの人を一生許さない。無論、この人一人が悪いわけではないが…