三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

伝道掲示板

2008年03月25日 | 仏教

うちの伝道掲示板に
「本当の自分がわからんから、本当でないものを本当だと思っていた 安田理深」
という言葉を貼っていたことがある。
あるブログにこれが紹介されたのだが、ブログ主やコメントの感想は「わからん」「意味不明」だった。
うーん、がっかり。
「唯仏是真、世間虚仮」や、清沢満之の「自己とはなんぞや、これ人世の根本問題なり」といった言葉がすぐに連想する、ありきたりとも言える言葉なのだが。

しかし、考えてみると私自身、深く考えることもなく、なるほどねというのですっと読み飛ばしてしまっているだけなのかもしれない。
安田先生の言葉はどういう意味だろうか。
「本当の自分がわからん」から、自分探しなんてことがはやるわけだ。
じゃ、そもそも、「本当の自分」とは何か。
真宗の言葉を使えば機の深信、罪悪深重煩悩熾盛の凡夫だというのでは安易かもしれない。
「本当でない自分」ではなく「本当でないもの」となっているのはどうしてだろう。
と、あれこれ頭を悩ましてしまう。

内部だけで通じる業界用語を使っていると、もうそれだけでわかった気になってしまいがちである。
そうして、理解してくれない人に対して、物事を真剣に考えようとしていないと見下す。
そういうきらいがある。

道行く人が見る伝道掲示板なんだから、わかる言葉で伝えないと意味がない。
ではどういう言葉だと相手に届くかだが、それこそ自分でわかっていないのだからほんと難しい。

コメント (9)
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