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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

転勤した場合の時間外労働の上限規制について

2021-10-31 13:14:32 | 労働基準法

先週顧問先からご質問が2つ重なったのが、今日のテーマである「転勤した場合の時間外労働の上限規制は転勤前の時間外労働等はリセットされるのか」ということでした。これについては厚生労働省が平成31年4月に出した「改正労働基準法に関するQ&A」に詳しく載っています。

改正労働基準法に関するQ&A。
問2の7で、A事業場からB事業場に転勤した場合について、両事業場における時間外労働時間数を通算するのかを聞いています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000487097.pdf

回答としては以下の通りです。
①原則の延長時間の上限45時間、特別条項の1年間の延長時間の上限720時間は、転勤した場合通算はされない。
 理由としては、事業場(ごと)における36協定の内容を規制するものであるからということです。

②時間外労働と休日労働の合計で、単月100時間未満、複数月平均80時間以内の要件は、通算して適用する。
 理由としては、労働者個人の実労働時間を規制するものであるためということです。

ここで特別条項の年6回以内に触れていないのですが、①を勘案すると通算しない(転勤前の45時間を超え特別条項を適用した回数はリセットされる)ということになると考えます。監督署に確認してもその扱いでよいということです。

②については、月の途中で転勤した場合の時間外労働は100時間未満で収めること、2~6か月の複数月平均80時間以内についても計算して収めることとなると、転勤前の時間外労働の把握は必要だということになります。

上記Q&Aの2―32には副業・兼業や転職の場合の労働時間の実績把握についても聞いていますが、ガイドラインにより自己申告により副業・兼業先や転職前の時間外労働時間数を把握することが考えられるとしています。

今日は雨の中選挙に行きましたが、いつになく人が多く会場に入るまで若干並ぶほどでちょっと驚きました。開票速報を見ると、かなり大物が落選したりしており、やはり世の中の変わり目なのかなという感じを受けています。

週末社労士試験の発表がありましたが今回の合格率は7.9%とのこと。相変わらずの難関試験となったようです。先日、開業された方からTACNEWSのインタビュー記事が送られてきたのですが、「試験に落ちてもうやめようと思ったときに私のガイダンスに出て、きっと受かるといわれたことで再挑戦して合格し、ここまで来られた」というお話を載せて頂いたものでした。合格を目指したからには合格するまでは頑張る、という強い意思を貫いてもらいたいといつも思います。一生の財産になる価値ある資格ですから。

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