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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

世の中の大きな変化へ危機意識の必要性

2024-07-01 00:16:13 | 雑感

コロナ前から少しずつ、コロナ禍を経て大きく、世の中が大きく変化したことを実感します。例えば男性の育児休業もわずか10年前は今のように推進されることではなかったと思います。また働き方についても夜9時ころまでの残業は当たり前、自宅でテレワークや勤務時間中の時間単位年休の中抜けなど考えもつかず、自由度の高い働き方と言えばフレックスタイムくらい。しかしそういう変化はある程度目に見えることで、世の中の大きな変化を受け入れる必要があると認識すれば対応はかなり可能と思います。

ただ社労士として相談業務を受けてアドバイスをする際に気を付けなければらなないことがあると最近気づかされました。例えば、最近導入が増えてきた副業・兼業ですが、10年前であれば正社員の副業はまず認められず例外的に「家業の資産運用会社の役員に名を連ね役員会に出席する」とか「単発で社外の講演会で講演する」等が認められるといった状況だったと思います。従って就業規則に「副業禁止」とまでは書かれておらず、服務規律に「許可なく他の企業の役員に就任し又は他の職業に従事しないこと」などと書かれていることが多いです。ただ、その書きぶりであると副業は認めないという大前提がなくに「許可されれば副業も可能」ということで既に副業が認められている理解になり得ます。副業を認めるにしても、まず正確な現状把握があって、その上でどのように認めていくかを決める必要があると考えます。ある意味日本語の行間を読むことが価値観の変化で異なって読まれるということもあるということです。

世の中の共通認識が大きく変化したにもかかわらず、就業規則についての細かな対応が追い付いていないように思え、この夏全体的に見直して価値観の変化による齟齬が生まれそうな部分を洗い出してみようと考えています。

また企業の収益構造も世の中の大きな変化に対応していかないと本当に仕事自体がなくなる危機に直面する可能性があると感じますが、これはデジタル化が大きな要因になると思います。富士フィルムはフィルム事業の衰退を乗り越え、事業転換を実現しましたが、事業の衰退はデジカメの普及が要因になっています。新たな事業価値の創造は容易なことではないと思いますし、時間もかかると思いますが、それを牽引するのはリーダー層の先を見る目と危機意識の持ち方、新たな分野への前向きなスピード感のある取組みと、既存の強みをいかに生かすかということなどがあると思います。デジタル化によって構造的に成り立たなくなっている産業もあり、いかに次に進めるのか、今の確立した構造を壊さなければならないのか、どのように展開されるのか、不安もありますが大きな期待もあります。

社労士業務も常に先を見て現状の独占業務に安住することなく、次を模索していかなければならないといつも考えています。デジタル化も含めて方向性は決まっており、ここ数年の経過の中でやることも具体的に整理できてきました。9月の新年度に向けて3年の中期計画に盛り込む予定です。

それにしてもこの世の中の急激な価値観の変化(私はいつも価値観が180度変わったと言っています)は、変化したことを知っている世代にとっての認識と既に価値観が変わってから物心がついた世代との認識のズレはかなり要注意だと思います。そういう意味では価値観の変化について丁寧な説明も必要でしょうし、日本人の得意な「阿吽の呼吸」ではなく「明確に言葉にする」「はっきり物を言う」ということが重要な時代になっていくのではないかと思います。