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つなぐ打撃で日本一③

つなぐ打撃で日本一③
スポーツ報知8月11日6・00配信
 
 公益財団法人日本少年野球連盟主催、株式会社報知新聞社後援の「エイジェックカップ第55回日本少年野球選手権大会」は9月2日に開幕されたが、7日に決勝戦が行われた。
2019年夏に東北勢最高の4強入りした宮城仙北ボーイズ(東北中央)が決勝で愛知名港ボーイズ(愛知中央)を下し悲願の日本一に輝いた。宮城仙北はボーイズリーグ他4リーグの夏季大会優勝チームが出場する「2NDエイジェックカップ中学硬式野球グランドチャンピオンシリーズ」(9月7日、8日・甲子園他)に出場する。

 ついに優勝旗が白河の関を越えた。仕事の都合で欠場した田中伸次監督(68)に代わり指揮を執った長男伸明コーチ(48)(田中伸明・完全大吉名⇒永人)は「22年に甲子園で優勝した仙台育英に追いつき追い越せの気持ちで頑張ってきた」と喜びの気持ちを噛みしめていた。
伸明コーチと庄子啓一スコアラーは(49)は昨年下級生チームの宮城山北中央を指導し、選手とともに昇格。性格や特徴を熟知した2人の選手起用、采配が的中した。

苦しい戦いが続いた。準々決勝では越谷に6回まで2点のリードを許したが、7回に阿部琉の中越えの2点ランニングホームランで同点。延長8回には1死一塁から宮野の二塁打でサヨナラ勝ち。準決勝は前年優勝の明石に対し、3点リードした3回裏で降雨サスペンデット。翌日の決勝戦前に再開したが集中力を切らすことなく5回コールド勝ち。

決勝戦は最速140キロ右腕のエース菅原が先発。「5連投で肩と肘はバキバキでしたが、いけるところまで」と2回3分の1を零封。下手投げの山田は、今春の招待試合で愛知名港に打ち込まれた経験から「精度を挙げた変化球」を駆使してリードを保った。最後は星が締めた。

 野手のスーパープレーも飛び出した。4点を勝ち越した直後の4回無死二塁のピンチで右飛を処理した吉野が三塁を狙った小久保を好返球で刺した。ワンバウンドで三塁手星のグローブに吸い込まれるレーザービームで流れを渡さなかった。

正捕手の鈴木大が同時期にハワイで行われている世界少年野球大会の日本代表に選出されて不在も、阿部琉が「小学校以来」の捕手を務め、MVPのボーイズリーガー賞を受賞。右腕遊佐が準決勝で好投するなど、全員でその穴を埋めた。

試合後はナインが感極まって号泣し抱き合う姿が。
菅原は「冬の厳しい猛練習を思い出しました」。春季全国大会出場を逃し、「今までで一番厳しい練習」(伸明コーチ)に歯を食いしばり、乗り越えたことで、酷暑の夏に最高の形で結実した。
夢の続きがある。9月7日から始まる甲子園での「2ndエイジェックカップ」だ。菅原は「鈴木大登ともう一度、一緒に野球をやるために勝ちたかった」。涙も乾き、笑顔になったナインが再び頂点を目指す。続く



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