FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



今回の相場の牽引役であるドル高の様子ですが、私は逆の指標である金価格で見ています。

で、このチャートのように、金は一目の雲上限で跳ね返されている状態。
ですが、MACDその他は下落中ということで、もういちどドル高の試行があるんじゃないかという方向で考えてます。微妙ですが。
 
金が上げている間は、ドル円は上げなのでもうちょっと上(97ミッドくらい?)があるか。ドル高で金が下げたところで、改めて円買いという見方です。


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さて、LEAP/E2020の36号の英語版が出た。無料版の方と有料版とがあるが、無料版の方の概要は先のエントリーで分かるので、今回は有料版の方から興味深い部分を紹介しておきたい。無料版のボランティアの方の翻訳も2chにある。

基本的には無料版と同じだが、三つの、舟を飲み込むような巨大な波(rogue waves)が、2009年の夏の終わりから襲ってくるとする。その三つはかならずしも一緒に襲うわけではなく、非同期的に突然襲ってくる。

ひとつめは膨大な失業者の波だ。時期の差があり、アメリカ・英国・スペイン・アイルランドでは2009年の夏の終わり、中国・東南アジア・南米・新規EU加盟国・トルコ・中東・アフリカでは2009年の秋の終わり、そして、欧州・北欧・日本では2009年から2010年にかけての冬に、その波が襲ってくる。彼らは社会的セイフティーネットから外れた存在となり社会的・経済的に大きな問題となる。

二つ目は、会社・銀行・住宅・州・町の連続的な破綻の波だ。上記の失業者の増加・税収や収入の減少によって連鎖的に破綻が広がる。これによって、各国に保護主義的な動きが顕著になってくる。

三つ目は米国と英国の国債、およびドルとポンドの末期的な危機の波だ。2009年の夏の終わりに、米国は国債の利払いが不可能となり、また英国は財政危機から、IMFに援助を求めることになる。そして年末には、かねてから予測した地政学的分裂のフェーズが始まる。実際このたびのBRICsサミットがそのような分裂の最初の兆候であった。ここでは、ドルの危険性が認識されたため、お互いの国同士で、債権を買いあい、米国債を減らすことを決定した。

2009年の夏の末には、米国と英国の資金の必要性はその抑制がきかない状態となり、また同時に買い手の側の疑念も大きくなる。この二つが結合した時こそが、彼らが真実に到達する時となる。そして、米国債と英国債の継続的購入がなされなくなるということになる。

この場合に考えられる第一のシナリオは、FRBと英国中銀が大量の国債を自己で購入することであり、この場合には、ドルとポンドが他の通貨に対して大きく下落することになる。

第二のシナリオでは、米国国債の償還ができなくなることを、米国のオバマ大統領・ガイトナー財務長官・バーナンキ議長がテレビで宣言し、ドルの3割から5割の減価を容認するというものである。これはすでに過去の月報で述べてきた「新ドル」という方法に対応する。

いずれの場合も、ドル(とポンド)は他の通貨に対して大きく下落するため、米国と英国とは輸入インフレに見舞われるだろう。一時的には、ハイパーインフレの状態になるかもしれない。他の国では、デフレの影響により、インフレになることはないだろう。

なお、これらの状態に対応するため、資産の30パーセントは現物の金で持つようにし、また理想的には6ヶ月分の生活費を金で持つのがいい。(その他の通貨レートや、不動産についての対策は省略するが、これは有料版で詳しく読まれたい。)

以上が有料版の要旨である。2009年夏という時期はかなり前から予測していたもので、それは今回も動かされていない。三つ目の、米国債デフォルトが夏に起こるという予測は、なかなか信じがたいものがあるが、彼らも言うように2007年にはサブプライム危機を予測し、2008年には投資銀行の破綻を予測してきた実績があるのであって、無視するわけにはいかない。彼らの予測は時期がずれることはあったが、根本的に違っていたものは少ない。(なお、為替レート予測は大きく外れることが多い。)

ということで、今後、米国・英国がデフォルト的な状態になることはかなり確度が高いと考えている。時期的にはもっとも早くてこの夏の終わり、常識的には来年の春以降と考えていいのではないか。時期の問題は更に検討してゆきたい。




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