Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

チューリング・パターン(アオギハゼ・アカホシカニダマシ・シロブチハタ)

2019-09-17 20:58:30 | 水中生物
鋭い日差しと北寄りの風のバランスが良く、心地良い感じだった本日のやんばるです。
 
あちらこちらに熱低あるいは熱低の卵が…。
 
沖縄島に近づきそうなものもありそうで、要注意な感じになってます。
 
風は北東~北。晴れ。
 
■■
 
「機械は(人間的な)思考をするか?」
 
これは数学者アラン・チューリングの掲げた問いです。何だか、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を連想してしまう問いですが、二つの問いは全く無関係というわけでもありません。この機械というのは、コンピュータのことで、今ならばAIのことでもある、といっても間違いではないでしょう。因みに『アンドロイドは電気羊の夢を見るかは?』は映画『ブレードランナー』の原作です。
 
アラン・チューリングは数学者であると共に、論理学者で、暗号解読者で、哲学者で、コンピュータ科学者でもあります。まあ、つまるところは天才ですね。
 
チューリングマシンという今日のコンピュータの概念を理論化し、コンピュータの父とも呼ばれています。前述の問いから、コンピュータの知能の有無を判定する方法(チューリングテスト)を考え出したりもしています。
 
また、第二次世界大戦時には、難攻不落といわれたナチスの暗号装置エニグマの暗号を解読し、英国の海上補給線をドイツ軍Uボートから守ることに貢献したのだそうです。この辺りはベネディクト・カンバーバッチ主演で「イミテーション・ゲーム」というタイトルで映画化されています。
 
「2つの物質が、ある条件のもとで反応しながら広がるとき、そこに物質の濃淡の波ができその波が生物の形や模様を作り出す」
 
これもチューリングの言葉です。そしてこれは魚の模様に深く関わる理論です。ザックリ言うと魚の模様は、縞模様でも斑模様でも斑点模様でも、設計図のようなものに基づいて作り出されるのではなく、物質間のその場その場の反応によって自主的に生み出されている、という感じの理論。
 
これはチューリング・パターンと呼ばれ、1952年にチューリングによって理論的存在が示されたのですが、長らく生物学に影響を与えることはありませんでした。というか無視されていた感じ。しかし1995年に日本の生物学者によって実験的に確認され、再評価されています。
 
■■
 
さて…
 
〈ハゼ科ハゼ亜科ベニハゼ属アオギハゼ Trimma caudomaculatum 19年7月25日 沖縄島安和〉
 
画像はまだ幼魚。
 
〈カニダマシ科アカホシカニダマシ属アカホシカニダマシ Neopetrolisthes maculatus 19年7月31日 沖縄島崎本部ゴリラチョップ〉
 
これもまだ幼い個体。
 
〈ハタ科ハタ亜科マハタ属シロブチハタ Epinephelus maculatus 19年7月31日 沖縄島安和〉
 
こちらもまだ幼魚。
 
3種の共通点は学名。
 
アオギハゼは『尾に斑点のある』、他の2種は『斑点のある』の意。
 
チューリング・パターンとして生み出された模様なのでしょうか。
 
 
 

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