Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

打つ翳(ウチワミドリガイ)

2020-06-09 20:10:51 | ウミウシ

前半に強く雨が降った本日のやんばるです。

風も前半はバーバー吹いてました。

後半には雨も上がり、鋭い日差しも…。

沖縄的な梅雨空の一日でした。

今週末は晴天の予報ですが、梅雨明けが近づいてるのかな…。

風は南西。雨のち曇、一時晴れ間も。

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『軍配』

大相撲で行事が手にして勝敗の判定を指し示したりする道具。あるいは、戦国の武将が戦の指揮に用いた道具。武田信玄が手にしてるイメージですよね。

この『軍配』ですが、略称だって知ってました? 略さない名称は『軍配団扇』なのだとか。僕は知りませんでした。『軍配』って団扇なんですね。

でも軍配を顔の前でパタパタしている人なんて見たことありませんよね。それは僕たちが持っている『団扇』のイメージが、近世(江戸時代)以降の『団扇』であるからなのだそう。

つまり『団扇』は長い歴史の中で、いろいろな使われ方をしてきたそうなのです。

そもそも『団扇』の原型である『翳(さしば・さしは)』は、古墳時代に中国から伝わったのだとか。古墳時代の壁画から、それは祭礼などの儀式に使用されていたようです。

奈良~飛鳥時代になると、公家・役人・僧侶などの地位が高い人たちが威儀を正すための道具として使われたのだそう。また虫を払う道具としても使われたそうで、『団扇』の語源はハエや蚊などの虫を打ち払うことから『打つ翳(うつは)』が『うちわ』になったという説が一般的なのだとか。同時に災いを打ち払うという意味もあったのだそう。

戦国時代には前述の通り武将が戦の指揮をとる道具に。一軍の象徴でもあり、矢石を防ぐ武具としても機能したのだとか。

そして江戸時代。『団扇』は広く庶民にも普及し、日常生活道具として利用されていきます。形も使い方も今僕らがイメージする『団扇』そのものになりました。

明治以降は『団扇』は広告媒体としても利用されるようになりました。僕が日常的に使っている『団扇』も、オリンパスのカメラの宣材写真がプリントされたものだったりします。

『団扇』という漢字ですが、これも中国由来の熟語で、『団』は『まるい』を意味し、『扇』は観音開きの戸が羽のように開閉する様を表しているのだとか。観音開きの戸を開閉することによって風が起こることに由来しているという説なのだそうです。

『団扇』って、今はどのくらいの方が日常的に使われているのでしょうか。今もどの家庭にでも一つくらいはあるのでしょうか。

現在の『団扇』は、アイドルコンサートのグッズとして利用されてるイメージが強いですが…。

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さて…

〈チドリミドリガイ科ゴクラクミドリガイ属ウチワミドリガイ Elysia pusilla 20年4月3日 沖縄島安和〉

学名種小名は『非常に小さい』の意。

サボテン草をホストとし、サボテン草上では団扇のように扁平になるのだとか。

 

 

コメント
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