無意識日記
宇多田光 word:i_
 



さて前回を踏まえて『キレイな人(Find Love)』を分類すると、タイトルについては日本語曲には日本語タイトルをつけてある。その上で、歌詞の一部に英語が残っている(『Find Love, 'til I find love, 'til I find love』の一節など)為、括弧書きで『(Find Love)』もくっついている、という感じだろうか。


だが今回は先に身も蓋もない事を言ってしまわないといけない。

私が考えるに、この『キレイな人(Find Love)』に『(Find Love)』の括弧書きがくっついてるのは、ボーナストラック扱いとはいえ、日本語バージョンと英語バージョンがひとつのアルバムに収録されているからなのではないかなと。ぱっと見でタイトルが『キレイな人』と『Find Love』だったら、初見の人は別の曲だと思いかねない。新曲がもう1個聴けると思ったらさっきと同じ曲だった…とガッカリしてしまうのを避けるために、本編扱いでない、ボーナストラックとして後から聴ける『キレイな人』の方に括弧書きがくっついているのではないか。そう推測する。

ただ、この推測の妥当性を疑うことも出来ちゃうのよね。じゃあ『Don't Think Twice』はどうなの?って訊きたくなるし、それに、もし仮に、本編の方が日本語バージョンだったらどうなのか?という仮想的疑問が湧いてくる。その場合、『キレイな人』には括弧書きがつかず、『Find Love』の方に『Find Love(キレイな人)』という風な括弧書きがくっついたのだろうか? なんだろう、何故だかこちらは「ありそうもない」気がしてならない。

というのも、単純に、我々の事前知識として英語バージョンの『Find Love』が先に作られているというのを知っているからだ。今は現実として、

「『キレイな人』は『Find Love』の日本語バージョン」

とは言えても、

「『Find Love』は『キレイな人』の英語バージョン」

とは言えない訳である。

この“非対称”って結構重要で。ヒカルの場合、『光』&『Simple And Clean』も、『Passion』&『Sanctuary』も、『誓い』&『Don't Think Twice』も、『Face My Fears』も、いずれも英語バージョンが先に制作されている。

従って、

『光』は『Simple And Clean』の日本語バージョン
『Passion』は『Sanctuary』の日本語バージョン
『誓い』は『Don't Think Twice』の日本語バージョン

とは言えるのだけど、その逆、つまり、コレはソレの英語バージョン、とは言えないのよね。

ただ唯一、なのかな? 『time will tell』だけは日本語バージョンが先に作られていて英語バージョンは後に作られた事になっている。なのでこの曲に関しては『time will tell』がオリジナルの日本語バージョンの表記で(つまり"Japanese Version"の表記が無い)、英語バージョンの方が『time will tell –English Version-』という表記になっている。ふむ。


ここらへんの外形的な、「楽曲や歌詞内容に直接関係ない理由」によるタイトルのつけ方がまずある、という事を踏まえた上で、今度は内容について触れないなと。


……なんだか道草ばっかり食ってる気がする!(笑) 特に話を引き延ばしてるつもりはないのじゃが結果的にそうなってるなぁ今週は…。

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宇多田ヒカル&UTADAのオリジナル曲で日本語歌詞と英語歌詞両方公式に存在する楽曲について、もう一度タイトルを並べてみよう。

『time will tell』(日本語)
『time will tell -English Version-』(英語)

『光』(日本語)
『Simple And Clean』(英語)

『Passion』(日本語)
『Sanctuary』(英語)

『誓い』(日本語)
『Don't Think Twice』(英語)

『Face My Fears (Japanese Version)』日本語
『Face My Fears (English Version)』英語

『キレイな人(Find Love)』(日本語)
『Find Love』(英語)


こんな感じか。他に何かあったっけ? まぁいいや、並べたものについて述べるか。

この中で、『time will tell』と『Face My Fears』が同じタイプといえる。タイトルが同じで、英文だ。これは、日本語の方でもリフレインがタイトルを使った英語である、というのが理由なのかなと思う。言い換えれば「サビ以外の部分で違いが出る」パターンだわね。

他方、『光』&『Simple And Clean』と『誓い』&『Don't Think Twice』の方は、日本語と英語できっぱり別れている。どちらも日本語タイトルと英語タイトル、歌詞も日本語尽くしと英語尽くし。とはいえ、『誓い』は楽曲後半で『Kissm me once...』のパートがあるから、『光』ほどは徹底していないんだけどね。それでも、歌詞に合わせてメロディを変える場所もあるので、やはりかなり「言語による区別」が強いタイプだと思われる。

『Passion』&『Sanctuary』は難しい。『Passion』は『光』に負けず劣らず純・日本語歌詞なのに、御覧の通りタイトルは英語。なのに、英語バージョンのタイトルは『Sanctuary』でそれとは全く別の英単語なのだから混乱する。これの説明は字数を要しそうなのでまたの機会に。

そして、『キレイな人(Find Love)』&『Find Love』だ。今までに無い、英語タイトルを日本語タイトルと併記するというパターン。これについて次回語ることにしようか。(…なんだこれドラゴンボール的な引き延ばしか?(笑))

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