宇多田ヒカルブランド下での"Popness"の独自性は、結果としての大衆性を追求するにあたって、プロセスとしては非大衆的なアプローチをとる点にある。つまり、制作過程において光は常に目下の楽曲がPopsとして成立するか否かの不安に苛まれ続ける。従って制作中のメッセには時折その不安を反映したフレーズが顔を出す結果となる。「大丈夫?私の興奮!大丈夫?!」という今回の名調子も、世間とのズレに気を遣わざるを得ない今の心理状態から生まれたものだろう。即ち今作業中の曲も、自己の従来からの嗜好に沿いつつもPopさを失わない、多くの期待に応える楽曲となりそうだ。
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