無意識日記
宇多田光 word:i_
 



したパートがCBtMに1ッある。『3回目の"Baby,TakeItEasyOnMe"』だ。私曰く「チェロの様に豊かな響きの」、光曰く「オッサンみたいな」あの低音域である。ソコ迄のメロディ運びで高まり切った叙情と、ソレと同じ詞でありながら極端に醒め切った目線から呟かれるセリフとのコントラストは実に鮮やか。その両者の振り幅の丁度真ん中に"Baby、ComeBackToMe"のコーラスがくる訳だ。Hステはアルバム全体の作風の振り幅の中心を指し示す曲だったが、CBtMも同様に(恐らく)アルバムの中心位置を伝えると共に、更にその振り幅の度合いを曲の中で既に表現しているのだ。光の成長がよく窺える楽曲である。

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現在のUtaDAが1stシングルを出す場合、新世代ファンが増えている(ハズの)日本であれ無名な米国であれ、まずは「嫌われずに印象に残る」事が必要だ。幾ら名曲とはいえイキナリKremlinDuskではアクが強過ぎて、熱狂的なファンを生む一方その何倍もの拒否反応を被るだろう。然しただ薄味にしただけでは個性がアピールできず印象に残らない。CBtMは、キャッチー&シンプルなコーラスとエモーショナル&ソウルフルな展開部で構成されていて「するりと耳に入り」ながら「心に残る」曲となっている。BGMとしても通用する心地よいサウンドの中にUtaDAとしてのアクの強い個性を封じ込める事に成功しているのだ。

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