ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

用のない街・板橋さんぽ2

2014年03月25日 | 用のない街にあえて泊まり旅気分に浸る
プチバングラデシュ探訪後、中央駅(?)から電車で帰国できる時間だが、そこは「旅」なので見知らぬ土地に来たら泊まりたいもの。てな訳で、アパホテルバングラデシュ東口、ではなくて東京板橋で一泊。

この旅、ネタばらしすると、明日朝早くに埼京線沿線で仕事があり、このところ寝不足もあるため近くに前泊してしまえ、という訳。ある意味、取材などで訪れたどんな土地よりも、また泊まる可能性が低い旅かも(笑)。

町で見つけたオモシロごはん…板橋 『ルチ』の、バングラデシュ料理

2014年03月25日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
ひとしきり夜のバングラデシュ商店街を歩き、ひとかどの雰囲気を味わったところで、当国の料理でディナー。細い路地にひっそりある「ルチ」で、本場バングラデシュの味に舌鼓を打った。

前菜での一杯は、インドビール・インディアンボスに、豆サラダのチャナマサラを合わせてみた。暑い国らしい軽く甘めのビールと、適度にスパイシーなひよこ豆が、なかなかヘルシーな組み合わせ。インド料理ほどスパイスがとんがってなく、穏やかな辛味がどこかホッとさせる。

メインのカレーは、バングラデシュの魚を使ったとあるカスキカレーをセレクト。やや大きめのシラスのような小魚を塩漬けにしたもので、野菜はプチトマトにタマネギ、そして青唐辛子が数本。なのでサラリと澄んだ見た目からスープをズッとやると、鮮烈な辛味にむせること。「きつければ、唐辛子を抜いてくださいね」と店主のジャヒドさんが気を遣ってくれる。

辛さに慣れると、その味わいにどっぷりハマってしまい、スプーンが止まらない。味の基本が小魚の塩辛だから、まさに魚食文化の日本人に刷り込まれた旨味。すするたびに炸裂するアミノ酸の濃厚さは、もう感涙ものの魚旨さである。インドのよりも素材の味を立てた、日本人好みのカレーのように思え、ナンよりジャスミンライスに合うのもまた、日本風。

バングラデシュはデルタ地帯に位置し、川が錯綜する立地から米や野菜、川魚が食文化の中心となっている。前菜とメイン料理ともにその真髄を味わったようで、おかげでプチバングラ探訪のテンション盛り上がりもひとしおである。

一献一品出合い酒@仙台

2014年03月25日 | ◆一献一品出合い酒
仙台駅そば、サンモールに面した壱弐参(いろは)横丁にある「きむら」にて、乾坤一×ロールキャベツ。被災地へ赴く前夜に一同集まり決起するなら、地元に詳しいメンバー御用達のアットホームな店での、このコンビが似合う。

アーケードの商店街から小路に折れたら、そこは仙台の昭和な空間。間口の狭い飲み屋の階段を上り、隠れ家スペースにての宴が始まる。みちのくの小京都の小さな蔵元の酒は、震災から立ち上がった力強さが滲む厚い味わい。濃い目の味が染みたロールキャベツの、店柄を醸す朗らかな旨さに、気持ちが心地よくほどけていく。念願叶って皆での訪問、杯を重ねるごとに絆深まる一期一会。

続々と仲間が集まり、都度都度乾杯また乾杯。瓶が空いたら冷蔵ケースから、好きな酒を出しては開ける、勝手知ったる気ままさも居心地の良さを助長する。いつもの四谷から飛び出して、いつもの面々との変わらぬ宴。現地入りを前に重ねる杯は、それぞれの思いを一つにまとめ上げる儀式のようでもある。一献一品の小さな酒宴、いよいよ天下泰平なり。