ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

錦自酒の会の「自酒」

2013年07月20日 | 旅で出会った食メモ
山口県の錦川上流・雙津峡温泉の方に先日日本酒を頂戴した。酒米に使っている錦町産の山田錦は、何とご自身とお仲間で生産したもの。手作り感あふれる一本である。

やまぶき色の香りを楽しんでからクッといくと、米甘さがワッと膨らみ、次第に落ち着き最後に軽く苦味が立ち上がる。もう数年続けているそうだが、本職と並行してなので色々苦労もあるとか。混じり気のない真面目な酒、これからもぜひ作り続けてほしい。ぜひ錦川上流の名物に!

SBSラジオ「愉快!痛快!阿藤快!」東京へ行こうスペシャル

2013年07月20日 | テレビ・ラジオ出演の番組情報

SBSラジオ20日(土)「愉快!痛快!阿藤快!」東京へ行こうスペシャルで、てくてく歩き東京から夏の東京の見どころを20分ほどしゃべってきました。

番組はパワフルにぐいぐいひっぱる阿藤さんに、原田アナの絶妙な突っ込みと、テンポよく進んでいく感じ。最新のスカイツリー情報や東京の夜景ポイントなどを中心に、「てくてく歩きに載っています!」と適宜紹介していただきながら進んで行きました。静岡の皆さんにお役に立ったでしょうか?

リスナープレゼントにも5冊ほど提供、しっかりしおりもつけちゃいました。阿藤さん原田さん、また秋のスペシャルでも呼んでくださいね。


日々是好食 その51…腹が減る減る食マトペ

2013年07月19日 | ◆日々是好食
料理や食について書くとき、自分が最も力を入れるところは何か。店の場所や品数に値段といった、基礎データのキープ。食材の背景や料理人の略歴などの薀蓄。どちらも大事だが、それら以上に筆力をかけているのが、旨さを伝える表現だ。読む人の心を揺さ振れる文章は、物を書く者なら目指したいもの。読めばゴクリとのどが鳴り、グーとお腹が響き、今日のお昼はこれで決まり、となれば、実に書き手冥利につきる。

食を表現する上で一番のカギになるのは、擬音の使い方だろう。例えば酒の盃を干す音も、クッ、ググッ、スッ、クィッなどで、伝わるシチュエーションが変わってくる。ツィー、キュピピピピッとオリジナルがあれば、それでかの居酒屋のグラフィックデザイナーさんや、細道食漫の巨匠の作品と分かったりも。食表現を彩るオノマトペ、いわば食マトペやメシマトペは、視覚と耳から頭に入り、胃袋を刺激する隠し味。薀蓄という頭から入る調味料とうまく組み合わせるのが、食表現料理人の技といえる。

「まったりしてコクがある」で一躍知られるようになった、件の究極グルメマンガは、先駆的存在だけあり食マトペの宝庫だ。中華鍋とでかいおたまで「ズゴッ、ズゴッ」と炒められた飯粒が、鍋から舞い上がり炎に直に炙られ「パラリ」と仕上がる。字面を追うだけでかっ込みたくなるこんなチャーハンは、怪しい云々の冒険作家先生に倣い「ガシガシ、ワシワシ」といきたいところか?

一献一品出合い酒 49献目@清水

2013年07月17日 | ◆一献一品出合い酒
駅前の魚市場にある食事処「ととすけ」にて、サッポロ静岡麦酒×生シラス。オープン直後の漁港の魚料理屋での朝一酒なら、夏が旬の朝とれ魚介に地元工場で製造したビールの、このコンビが似合う。

ふじのくに限定のロゴがジョッキに光る一杯は、焼津工場直送の樽生。富士山の冠雪を思わせる滑らかな泡の麦香のあとに、たっぷりホップらしい爽やかな苦味が光る。サッと朝ののどが潤ったら、プリプリの生シラスをたっぷりリフト。ピチピチほの甘くほの塩っぱい味わい、強い目線からはあふれる生命力が伝わってくるよう。富士の峰を彷彿させるビールを控え、駿河湾のローカル魚の小鉢を添えて。滑り込み世界遺産・三保の松原の景勝のごとき一期一会。

窓の外に清水港を見下ろしつつ、朝酒ジョッキを軽く干したら、腹ごなしと酔い覚ましの清水散歩にいい時間。次郎長親分の生家にご挨拶したら、マグロ処での昼ご飯はハマッ子だけど寿司食いネェ、といくか。一献一品の小さな酒宴、駿河路にて天下泰平なり。

日々是好食 その50…大人の男子と甘いもの

2013年07月17日 | ◆日々是好食
最近、酒を飲まない男性が増えているらしい。飲み会では乾杯ビールでずっと腰を据え、二次会も薄いカクテルでひたすら繋ぐ。男は飲めてなんぼのもの、酔って笑って議論して、が人間関係の強化なのに。などと嘆く貴兄は、私も含め少々前のタイプなのらしい。

その反動なのか、最近は甘いもの好きの男性が市民権を得ているとも。甘党とかスイーツとか、流行りの「○○男子」でくくられるカテゴリーで、男性が連れ立って甘いものを食べにいくのが、近頃は割と普通らしい。ケーキをつついて仲間と語らい、人間関係を強化する。酒飲みには何ともピンとこなきけれど、要は飲み放題とスイーツバイキングの違い、体が求める糖質の形の差なのだろうか。

酒飲みの人間にとって、大人の男性が身を置いてサマになる甘いもの屋というと、和の甘味処がイメージだ。壁の品書短冊から選ぶのはシンプルな豆かん。ゴロゴロの寒天をグシュッ、パラパラの混ざる赤えんどう豆をホクッ、黒蜜の丸みある甘さに思わずホッ、と感嘆する。年季の入った建物に身を置いていると、たまに窓に下がる風鈴がチリリと響いたりして。

こんな場所なら涼感も求めつつ、男性同士でくつろぐのも悪くないかも。たまにはジョッキは忘れ、飲まぬ仲間とひとときの「和スイーツ男子(中年?)」といこうか。