「ウナギって、疲れている時にありがたいよね」
「ほんとに。何たってレンジでチン、で調理いらずだもんね」
こんなかみ合わぬ笑いネタがあったように、ちょっと前はもう少し手頃だった印象のウナギ。常食にはちと高価だが、庶民に全然手が出ないほどでもない。些細なハレの日やご褒美に奮発する、「プチ贅沢」な食べ物といった位置づけが、我々世代にとってのウナギのポジションだった。
稚魚の乱獲に激減、養殖業者の減少など、ウナギの値段の高騰の理由は多々あるようだ。にしても土用の丑の日のスーパーで、丸一尾分の蒲焼が2000〜3000円とは。丑の日はそもそも、夏場に売れ行きが悪いウナギの販促のため、江戸期に平賀源内が仕掛けたのが始まりとの説がある。消費は促進されたが、現在は需給のバランスがすっかり逆転。プチがとれた贅沢高級魚となった最近では、くたびれて晩飯を調理する元気がないから思いつきで買ってチン、なんて訳にはとてもいかないくなってしまった。
魚介は天然養殖が云々言われる中、ウナギは養殖地自体がブランドと評価されている。浜名湖産は最近いい値段がつく伝統の銘柄だし、鹿児島や宮崎や三河一色などもすっかり一大産地として浸透した。普段使いのプチ贅沢から、旅でいただくローカルブランド魚介へ。高騰により、ウナギのポジションが変わってきたということか。
その土地の魚介はその土地で食べるのがうまい、という点では、東京付近からは三島のウナギがオススメだ。うな重は供されたら、熱々のうちに脇目も振らず食べるのが礼儀。箸でフッとほどけたのをタレ付きご飯と頬張れば、炭火でカリッと焼き上がった表面から、脂香ばしさが立ち上がる。そして口の中を柔らかく優しく包み込む、言葉が出ない至福。捌く前に富士山からの伏流水に活けておくのが味の秘訣で、土の香りが控えめなのが湧水の効能のようだ。
ウナギはお金をかけただけの「ファンタジー」が得られる料理だ、と某めしバナ漫画で読んだ。東京から新幹線で57分、交通費をかけても得たいファンタジーがある三島へ。ウナギは今や、プチ贅沢な食旅アイテムになりつつある。
「ほんとに。何たってレンジでチン、で調理いらずだもんね」
こんなかみ合わぬ笑いネタがあったように、ちょっと前はもう少し手頃だった印象のウナギ。常食にはちと高価だが、庶民に全然手が出ないほどでもない。些細なハレの日やご褒美に奮発する、「プチ贅沢」な食べ物といった位置づけが、我々世代にとってのウナギのポジションだった。
稚魚の乱獲に激減、養殖業者の減少など、ウナギの値段の高騰の理由は多々あるようだ。にしても土用の丑の日のスーパーで、丸一尾分の蒲焼が2000〜3000円とは。丑の日はそもそも、夏場に売れ行きが悪いウナギの販促のため、江戸期に平賀源内が仕掛けたのが始まりとの説がある。消費は促進されたが、現在は需給のバランスがすっかり逆転。プチがとれた贅沢高級魚となった最近では、くたびれて晩飯を調理する元気がないから思いつきで買ってチン、なんて訳にはとてもいかないくなってしまった。
魚介は天然養殖が云々言われる中、ウナギは養殖地自体がブランドと評価されている。浜名湖産は最近いい値段がつく伝統の銘柄だし、鹿児島や宮崎や三河一色などもすっかり一大産地として浸透した。普段使いのプチ贅沢から、旅でいただくローカルブランド魚介へ。高騰により、ウナギのポジションが変わってきたということか。
その土地の魚介はその土地で食べるのがうまい、という点では、東京付近からは三島のウナギがオススメだ。うな重は供されたら、熱々のうちに脇目も振らず食べるのが礼儀。箸でフッとほどけたのをタレ付きご飯と頬張れば、炭火でカリッと焼き上がった表面から、脂香ばしさが立ち上がる。そして口の中を柔らかく優しく包み込む、言葉が出ない至福。捌く前に富士山からの伏流水に活けておくのが味の秘訣で、土の香りが控えめなのが湧水の効能のようだ。
ウナギはお金をかけただけの「ファンタジー」が得られる料理だ、と某めしバナ漫画で読んだ。東京から新幹線で57分、交通費をかけても得たいファンタジーがある三島へ。ウナギは今や、プチ贅沢な食旅アイテムになりつつある。