築地場外市場で屈指の活気と賑わいを見せるのは、何といっても寿司店、それもチェーンの寿司屋や回転寿司の店である。店の宣伝をスピーカーからガンガン流し、店頭は派手目の看板と多彩なメニューで賑やか。いわば築地への「観光客」向けの店だから、早起きしなくてもお昼を回ってもやっているし、中には24時間営業、土・日曜も無休なんてところもあるぐらい。市場の食堂なのに休市日にも休まず営業しているとは、仕入れなどどうしているのだろう… と余計な心配をしてしまうが、こうした店は築地で働く人が食事する「市場食堂」とは、また違ったジャンルの店ということなのだろう。
そんなわけで、築地場外市場で寿司で朝食、の3軒目は、チェーンの寿司屋にチャレンジである。築地を訪れるいつもの9時ぐらいなら、こうした店でもまだそれほど込んでおらず入りやすい。通りを歩いていれば見かけるいくつかの店舗の中で、築地中通りの『すしざんまい』を選んで店内へ。築地界隈で5店舗、ほか都内で18店舗あまりを構える大チェーンの1軒で、場外にある本店とその向かいにある「廻るすしざんまい」のあたりでは、呼び声がにぎやかに響いている。ここ別館はそれら2軒と離れているせいか若干空いていて、テーブル席にひとり落ち着くことができた。店内は明るくきれいで、魚が泳ぐ水槽、カウンター上のネタケース、木札風の品札が、本格的な寿司屋のイメージである。
これらチェーンの寿司屋の特徴は、とにかく安いこと。築地界隈の一般的な寿司屋では、握り1人前でおまかせだと3000円以上はするところを、こうした店では1000円台という驚くべき値段で出している。支店が多い分一度に大量に仕入れるから、コストが抑えられるという利点もあるのだろうが、それにしても破格だ。ここも店内や店頭にセットや個別の値段を表示してあるのが親切で、握りは1カン98円から、盛り合わせも1480円とある。朝ごはんで寿司屋に入るときは、いつも予算に気を配っているが、これなら安心して盛り合わせをお願いできる。
盛り合わせは値段の安さだけでなく、マグロに鯛、カツオ、イカ、甘エビ、イクラなど11カンプラスマグロの手巻き寿司、卵焼き、サラダ、みそ汁が付く豪華版だ。中でもマグロは、社長自ら仕入れに自信を持っているここの看板商品。3カンもある中でまずはトロから手を伸ばすと、脂たっぷりで柔らかくジューシー、これはとろけるように旨い。赤身は対照的に柔らかくさらりとした食感で、身の旨みがしっかり楽しめる。手巻きにも続いて手を伸ばしてマグロ3品をさっそく平らげたら、サーモン、サバなど脂ののったネタへ。のり具合が程良いため適度に甘く、ネタの旨さが際だっている。白身のネタの中でも特筆は鯛。はじめはほんのりした味わいで、かむごとに甘みとこくが出てくる。
あれだけあったのにあっという間に平らげて、気が付いたら締めのオクラの軍艦巻き、卵焼きで後口がさっぱりと仕上げとなった。先に書いてしまうが、築地場外の「チェーン・回転寿司」部門では、この店が一押し。値段の面でも味の面でも、場外市場で気軽に入れる寿司屋だろう。また休日や休市日に築地を訪れても、ここで寿司を食べたなら満足すること請け合いである。(6月下旬食記)
そんなわけで、築地場外市場で寿司で朝食、の3軒目は、チェーンの寿司屋にチャレンジである。築地を訪れるいつもの9時ぐらいなら、こうした店でもまだそれほど込んでおらず入りやすい。通りを歩いていれば見かけるいくつかの店舗の中で、築地中通りの『すしざんまい』を選んで店内へ。築地界隈で5店舗、ほか都内で18店舗あまりを構える大チェーンの1軒で、場外にある本店とその向かいにある「廻るすしざんまい」のあたりでは、呼び声がにぎやかに響いている。ここ別館はそれら2軒と離れているせいか若干空いていて、テーブル席にひとり落ち着くことができた。店内は明るくきれいで、魚が泳ぐ水槽、カウンター上のネタケース、木札風の品札が、本格的な寿司屋のイメージである。
これらチェーンの寿司屋の特徴は、とにかく安いこと。築地界隈の一般的な寿司屋では、握り1人前でおまかせだと3000円以上はするところを、こうした店では1000円台という驚くべき値段で出している。支店が多い分一度に大量に仕入れるから、コストが抑えられるという利点もあるのだろうが、それにしても破格だ。ここも店内や店頭にセットや個別の値段を表示してあるのが親切で、握りは1カン98円から、盛り合わせも1480円とある。朝ごはんで寿司屋に入るときは、いつも予算に気を配っているが、これなら安心して盛り合わせをお願いできる。
盛り合わせは値段の安さだけでなく、マグロに鯛、カツオ、イカ、甘エビ、イクラなど11カンプラスマグロの手巻き寿司、卵焼き、サラダ、みそ汁が付く豪華版だ。中でもマグロは、社長自ら仕入れに自信を持っているここの看板商品。3カンもある中でまずはトロから手を伸ばすと、脂たっぷりで柔らかくジューシー、これはとろけるように旨い。赤身は対照的に柔らかくさらりとした食感で、身の旨みがしっかり楽しめる。手巻きにも続いて手を伸ばしてマグロ3品をさっそく平らげたら、サーモン、サバなど脂ののったネタへ。のり具合が程良いため適度に甘く、ネタの旨さが際だっている。白身のネタの中でも特筆は鯛。はじめはほんのりした味わいで、かむごとに甘みとこくが出てくる。
あれだけあったのにあっという間に平らげて、気が付いたら締めのオクラの軍艦巻き、卵焼きで後口がさっぱりと仕上げとなった。先に書いてしまうが、築地場外の「チェーン・回転寿司」部門では、この店が一押し。値段の面でも味の面でも、場外市場で気軽に入れる寿司屋だろう。また休日や休市日に築地を訪れても、ここで寿司を食べたなら満足すること請け合いである。(6月下旬食記)