暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

夢の跡地

2011-02-03 | -2011
楽しく生きればそれでいいのさと
君はまるで他人事のように語り
けれども君の死に様は
ちっとも楽しそうには見えなかった

宙を浮く我らが友人たち
まるで夢の中をさまよう
亡霊のような我らが友人たち
モルヒネを打たれたばかりの顔が
ひくりひくりとよだれを垂らす
君たちの死に際なんてひどいものだ
夢の跡地に飛び散った君たちは
きっとかつては巨大な一つの生き物だった

楽しい夢の世界は既に終わった
チャイムが、サイレンが聞こえないのか
楽しい夢の世界は既に終わった
地面に足を降ろすんだ
重力という法則を思い出すんだ
ずしんと響く不快な負荷は
君たちの命に他ならない

夢の跡地で叫んだあとでは
もうすべてが現実と化し
現実の我らが友人たちは
もう新たなレーンに滑り込んだ
花瓶は元には戻らない
夢の中じゃああるまいし

ふわふわ浮くのはとても楽しい
夢を描いて遊ぶことも
サイレンは既に鳴り終わった
夢の跡地へ訪れたいなら
どうぞ快楽に身を委ね
ふわふわ浮いているといい
ようこそ、ここは夢の跡地
血と肉と骨と夢
すべてがここには揃っている
すべて動きはしないんだけど
現実なんだから仕方ないのさ

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