僕たちはみんな最初に鳥をもらう
小さくてピイピイ鳴いているかわいい小鳥
それをかごにしまっておいて
いつだって一緒に連れて歩くんだ
みんな名前をつけていたけれど
僕は名前をつけなかった
小鳥はちっともかわいくなんかなくて
羽を切られなければすぐに飛んでいってしまうし
指を出せば噛まれてしまう
だから僕は名前をつけなかった
かわいいかわいい僕の小鳥
君はちっともかわいくなかったから
他の小鳥はきれいに歌ってえさをもらうのに
僕のだけちっとも鳴かなかった
木の実をえぐる鋭いくちばしで
覗き込む僕の目さえ抉ろうとした
大人は危険だと言って取り上げようとしたけれど
僕は知っていたよ
羽を切られた後にはいつだって
とてもとても悲しそうに歌っていたこと
だから僕は小鳥を肩に乗せ
飛び立つなら飛びたてと言ってみたんだ
けれど小鳥は僕の肩で
うずくまって震えるだけだ
君も結局かごの鳥で
切られた羽を幸せに思っているのかな
だから僕は小鳥を肩に乗せ
いつだって一緒に連れ歩いた
ばかなみんなはそれをまねして
小鳥がたくさん死んでしまった
お利口さんのぼくの鳥だけ
震えていても生き残った
ぼくは、人ってなんてみにくいのかなあと
こっそり震えていたんだよ
次の次のその次も
羽を切らずに生やしてあげる
すっかり飛び方を忘れていても
長い翼に嬉しそう
僕はそのまま肩に乗せた
いつしか小鳥の震えは止んでいた
そうしてその日が訪れたんだ
小鳥は僕の肩を蹴り
翼を広げて飛び立った
やっとかごから放されたと
やっと自由を得られたのだと
喜び勇んで歌いながら
何度も廻って飛んでいた
僕が自分の愚かさに
気づき始める頃のことだ
かごの鳥は不幸じゃない
生まれたことが不幸であっても
決して不幸なんかじゃない
だって媚びれば生きられる
毎日笑っておねだりの芸を見せて
餌がやってくるのを待っている
なんて贅沢な暮らしだろう
外の世界はとても辛い
やさしいかごはもうないよ
自分で捨ててしまったのだから
小鳥のかごは昔に捨てた
なら僕のかごはどこへやったろう
僕は今新しいかごに鳥を入れた
僕のようにばかで愚かじゃない鳥を
そいつは精一杯きれいな声で
えさがほしいとせがんでくる
助けを求めに窓の外では
小鳥がひっそり死んでいた
小さくてピイピイ鳴いているかわいい小鳥
それをかごにしまっておいて
いつだって一緒に連れて歩くんだ
みんな名前をつけていたけれど
僕は名前をつけなかった
小鳥はちっともかわいくなんかなくて
羽を切られなければすぐに飛んでいってしまうし
指を出せば噛まれてしまう
だから僕は名前をつけなかった
かわいいかわいい僕の小鳥
君はちっともかわいくなかったから
他の小鳥はきれいに歌ってえさをもらうのに
僕のだけちっとも鳴かなかった
木の実をえぐる鋭いくちばしで
覗き込む僕の目さえ抉ろうとした
大人は危険だと言って取り上げようとしたけれど
僕は知っていたよ
羽を切られた後にはいつだって
とてもとても悲しそうに歌っていたこと
だから僕は小鳥を肩に乗せ
飛び立つなら飛びたてと言ってみたんだ
けれど小鳥は僕の肩で
うずくまって震えるだけだ
君も結局かごの鳥で
切られた羽を幸せに思っているのかな
だから僕は小鳥を肩に乗せ
いつだって一緒に連れ歩いた
ばかなみんなはそれをまねして
小鳥がたくさん死んでしまった
お利口さんのぼくの鳥だけ
震えていても生き残った
ぼくは、人ってなんてみにくいのかなあと
こっそり震えていたんだよ
次の次のその次も
羽を切らずに生やしてあげる
すっかり飛び方を忘れていても
長い翼に嬉しそう
僕はそのまま肩に乗せた
いつしか小鳥の震えは止んでいた
そうしてその日が訪れたんだ
小鳥は僕の肩を蹴り
翼を広げて飛び立った
やっとかごから放されたと
やっと自由を得られたのだと
喜び勇んで歌いながら
何度も廻って飛んでいた
僕が自分の愚かさに
気づき始める頃のことだ
かごの鳥は不幸じゃない
生まれたことが不幸であっても
決して不幸なんかじゃない
だって媚びれば生きられる
毎日笑っておねだりの芸を見せて
餌がやってくるのを待っている
なんて贅沢な暮らしだろう
外の世界はとても辛い
やさしいかごはもうないよ
自分で捨ててしまったのだから
小鳥のかごは昔に捨てた
なら僕のかごはどこへやったろう
僕は今新しいかごに鳥を入れた
僕のようにばかで愚かじゃない鳥を
そいつは精一杯きれいな声で
えさがほしいとせがんでくる
助けを求めに窓の外では
小鳥がひっそり死んでいた
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