暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

馬車馬

2009-11-26 | -2009
暗くもない夜の灯りに
影は色濃く路面を濡らしている
あなたは顔が見えないほど疲れたのか
休むことのない時間に流され続けて

あなたの影が打ち消されるほどの逆光は
星の瞬きまでをも殺してしまった
閃いては消え行く逆光を遮れば
もはやあなた自身さえ確かではなくなる

光のない空、
澄み切った夜空に月はさみしく浮いている、
光に照らされれば孤独を晒し、
裏へ回れば孤独に潰れ、
あなたは一体どこからがあなたなのか、
境界線はゆらゆらと揺れている、
時間に置き去られたたった一つの精神は、
きっと消えかかる星の中にいるのだろう、
あなたはただ一瞥するだけの傀儡、
わたしもまた逆光に埋もれる傀儡ならば、
なぜわたしにはわたしの影が見えないのか、

(鎖を使って死者にさえ口づけよう)
(囚える必要もないのになぜ鎖が要るのだろうか)
(安心は各々の罪悪感を優しく包み込む)

羽虫はいつまで舞い続けるのか
走り去る光たちと
地上に瞬く星たちに
影があなたを塗りつぶし
光がわたしを孤独にし
目覚めないことを知る最期まで

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