暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

いつくしむひとびと

2013-08-27 | 暗い
誰もわたしを救いはしない
それは確かにそのとおり
なぜならわたしは誰一人として
救ったことなどないからだ
救う気さえもないからだ
摂理にあぶれた愛しき愛しき愚者たちは
誰もわたしを救いはしない
かれらの求める救いとは
決して施すものではなく
施されるべき慈愛のしずく
穢れたその身を清めるものは
清浄でなければならぬと目隠しをかけ
もはや四肢も臟腑も必要ではない
清く爛れた魂こそが
わたしとかれらの救いの証
誰もわたしを救いはしない
わたしが誰をも救わぬように
恐れ蔑み情けをかけて
祭壇は静かに燃えてゆく
誰にも向けぬ饗宴のあとには
溶けた鉄くれが転がるはずだ
救いは確かに果たされるだろう
何をも忘れた灰として

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