暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

だべつ

2008-09-21 | -2008
水を張った穴の中にはよどんだ塊が浮いている。
もともとひどい悪臭をはなっていたが、目で見ることでことさらに嫌悪した。
しかし決め手にはならず、おれは舌根を撫でる。
数度、横隔膜が痙攣する。どうしようもないきもちのわるさが胃袋を押し上げ、なぜだか肛門のあたりがむずむずとゆるんだ。
勝手に声をもらしながら、内臓に吸収される予定だったものがぬるりと食道をさかのぼってきた。
汚物にかさなるのはまた汚物だ。酸味のきいたどす黒い臭気にまた、えづく。指は口の中から出ない。
吐いても吐いても中にわだかまるそれは、毒素といっても間違いではなかった。
喉がひりつき、粘ついた涙がしたたり、おれの生み出したものに口づけるように首部が垂れる。
また指を口に入れたとき、酸味もあったがなぜか変に甘かった。

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